第7話 蛮族王子、聖女を口説く






 フェリシアをバンデッド城にお持ち帰りして数日が経った。



「主殿っ♡ 主殿っ♡ んおっ♡ 激しっ♡」


「殿下っ♡ そんなに乱暴されたらおかしくなってしまいますぅっ♡」



 俺は朝からメルトレインとアンリを抱いた。


 身体は成長しないが、日に日に性欲が強くなっている気がする。


 終わった後は二人のおっぱいに両側から優しく挟まれながら眠るという、贅沢な日常を過ごしていた。



「エルト殿下は今日も素敵ですね♡」


「うむ♡ やはり主殿は強くてカッコよくて逞しいのじゃ♡」



 そして、二人を抱いて眠るまでの間に行われる全肯定囁きがまた最高すぎる。



「ところで主殿、例の聖女はどうしておるのじゃ?」


「ん? フェリシアのことか? 今はじっくり口説いているが……」


「面倒ですね、聖女というものは。エルト殿下に抱いてもらえること以上に幸せなことはないと言うのに」


「あ、ああ、そうだな」



 実は俺はまだフェリシアを抱いていない。


 彼女には女神の祝福があり、手を出そうとすると見えない力に弾かれてしまうのだ。


 ゲーム本編でも同じだった。


 どうやら運営にはフェリシアの処女を守らせて、主人公と純愛エッチさせたいシナリオライターがいたらしい。


 何年もバンデッド王国に囚われていてフェリシアが貞操を守れた理由が後付けされたのだ。


 それが女神の祝福。


 貞操を狙う者を弾く力は、フェリシアが心を許した相手には発動しない。


 だから仲良くなろうと口説いているのだが……。



「正直、まだまだ時間はかかりそうだな。護衛の騎士たちを殺したのが不味かったかもしれん」


「であれば、聖女を一日で堕とす作戦があります」


「ん? 作戦?」


「はい。エルト殿下は明日、昼頃に聖女のもとをお訪ねください」



 そう言って不敵に笑うアンリ。


 何をするつもりなのか分からないが、ここはアンリの作戦とやらを頼ってみようか。








 翌日。


 俺はアンリが指定した時間にフェリシアを幽閉している地下牢へと向かった。


 すると、何やら人の話し声が聞こえてくる。


 フェリシアと複数人の男たちが揉めているようだった。



「このアマぁ!! 抵抗してんじゃねーぞ!!」


「ひっ」



 俺は瞬時に状況を把握した。


 バンデッドの男たちがフェリシアを襲おうと地下牢までやってきたはいいが、女神の祝福で弾かれているらしい。


 苛立った様子の男たちがフェリシアに罵詈雑言を浴びせている。


 身体は大人顔負けでもフェリシアは少女だ。


 いくら女神の祝福で守られているとはいえ、大柄で屈強な男たちに詰め寄られて怖くないはずがない。



「おい、やめろ」



 流石に見ていられなかったので、俺は男たちを止めに入った。


 すると、男たちは忌々しそうに俺を睨む。



「あぁ? 何ですか、殿下。何か用ですか?」


「その女は俺のものだ。手を出すな」


「はっ、じゃあアンタをぶっ殺せばその女はオレたちのもんだなあ!!」



 まだ成人したばかりで舐められているのか、男たちはいきなり俺に襲いかかってきた。


 仕方ないので全員始末する。


 バンデッドでは強者がルールであり、勝てば何をしてもいい。


 勝てなければ命を奪われるだけだからな。



「「「ひぎゃあ!?」」」



 男たちを始末した後、俺は顔色が悪いフェリシアに近づき、声をかける。


 できるだけ怖がらせないよう、優しい声音で。



「大丈夫か?」


「あ、う、うん、君が途中で来てくれたから、大丈夫だよ……」



 視線を彷徨わせながら頷くフェリシア。


 本人は無意識のようだが、どこか砕けた口調に変わっていた。


 今の一連の出来事でかなり心を許したらしい。



「……そういうことか」



 俺は思わず呟いてしまった。


 アンリの言っていたフェリシアを一日で堕とす作戦とはこのことだったのだろう。


 あの男たちはアンリが唆したに違いない。


 言い方は悪くなるが、要するにただのマッチポンプだ。


 アンリめ、悪い女である。



「どうして……」


「ん?」


「どうして、私を助けてくれたの? その人たちは、仲間だったんじゃないの?」



 フェリシアは俺が同族を殺してまで助けた理由が分からず、困惑しているようだった。



「そう訊かれると困るな。お前は俺の女で、奴らは俺の女に手を出そうとした。その時点でこいつらは仲間じゃない。敵だ。だから殺した」


「わ、私は君の女になった覚えなんてないんだけど!!」


「いや、お前は俺の女だ。だからお前のことは全力で守ってやるし、お前に手を出そうとする奴らは殺す」


「っ♡ も、もう♡ 君、強引すぎるよ♡ 年下のくせに生意気なんだから……♡」



 フェリシアが頬を赤らめて言う。


 おいおい、もうひと押しで完全に堕ちちゃいそうだぞ。


 あれか? 吊り橋効果みたいなもんか?


 大柄な男たちに囲まれて怒鳴られ、不安がっていたところを助けたからか、俺への警戒心がかなり緩くなっているのかもしれない。


 ならば今こそ攻め時!!


 俺はフェリシアの大きなおっぱいにゆっくりと手を伸ばした。



「ひゃんっ♡ ちょ、ちょっと君っ♡」



 驚いたことに、俺の手が女神の祝福で弾かれるこもはなかった。


 完全にフェリシアが心を許した証拠だ。



「も、もうっ♡ いきなり何するのよっ♡」


「嫌ならやめるが」


「い、嫌とまでは言わないけど……♡ でもダメっ♡ 君は、護衛の騎士様たちを沢山殺した悪い人で……」


「ならばどうしてお前の力で俺は弾かれないんだ?」


「そ、それはぁ…♡」



 俺はフェリシアのおっぱいを堪能した。


 水のようにぷるぷるで、かと言って垂れているわけでもないハリと艶のあるおっぱい。


 最高でした、はい。


 その後、俺はフェリシアを薄暗い地下牢から出して寝室に連れ込み、朝までチョメチョメして過ごした。


 それが決定打となったのだろう。


 フェリシアは護衛の騎士たちを殺した悪い奴という認識以上に、俺を男として認めたらしい。


 背徳的で優越感に浸れる時間だった。









 それから更に数日後。


 俺はフェリシアを救出にやってきた主人公とヒロインに出会うのであった。





―――――――――――――――――――――

あとがき

どうでもいい小話


作者「吊り橋効果であってフェリシアがチョロインなわけではない」


エ「そう、か?」



「アンリ策士!!」「フェリシアかわいい」「チョロインだよ」と思った方は、感想、ブックマーク、★評価、レビューをよろしくお願いします。

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