殺し屋ポルターガイスト

読みやすさとエピソードごとのキレの良さが抜群です。
怖さと笑いのバランスが絶妙でホラーの苦手な方でも楽しめるコメディ要素も含まれています。

短編集なのでちょっとした隙間時間にもサクッと読めるのも魅力です。
特に予想外の展開や捻ったオチにはハマります。

皆様にも是非読んで頂きたい作品です。
あなたの心もきっと鷲掴みされることでしょう。

　作者様の紹介の通り、数話ずつの「怪奇現象と殺し屋」のテーマにのっとった短編集で一つ一つのお話はさくっと読めてしまう文章量です。

　怪奇現象と殺し屋という組み合わせで、そういう発想があったんだなあ、と目から鱗が落ちる想いで、最初のお話から読ませていただいています。

　私はホラー好きでぞくっと終わる系も全然楽しめるのですが、そうでない人もコメディ要素が盛り込まれていますので気軽に楽しめると思います。なにより、捻ったオチに毎回「そうくるかあ」ってなってます。
　

ちょっとブラックな要素がある、ホラーコメディ。

それぞれの話が「ん？」「お！？」と声を上げたくなるような捻りがあり、ついつい先を読み進めしまう。

怖いは怖いのですが、登場人物の飄々としたところが、コメディタッチな味付けになっています。

ちょっと刺激の欲しい方、ニヤリとしたい物語を読みたい方にお勧めです。

　殺し屋たちと幽霊、時には魔物も参加して、互いに殺（や）り合い、呪いあったりするホラーコメディです。

　死、というものを共通点とする、殺し屋と幽霊。
　このふたつがやりあったら、どっちが勝つと思いますか？
　
　ふたつのやり合う、色々なパターンを、シニカルなコメディで描いた作品です。
　ぞっとするホラーでありながら、クスッと笑えてしまう部分があり、面白いです。

　章ごとに読み切りとなっていて、一話一話のキレがいい。
　ようするに、読みやすい！
　ぜひ、おすすめします。

困ったな。怖さと笑いのどちらに寄せればいいんだ。
読者を困惑させる、作者の手法が光る一品。
油断していると笑い、そして油断していると恐怖する。
そんな対極に位置する物語の面白味を、同時に味わってみられてはいかが。

　ホラーコメディというジャンルを嗜む方の間で、「恐怖」と「笑い」は正反対に見えて、実は物凄く相性が良いということは周知の事実でしょう。
　こちらの作品では、ホラーやサスペンスでは恐怖の対象になる殺し屋と、ホラーには欠かせない怪異が登場することで、恐怖と笑いを生み出しています。
　命を狙う側の殺し屋が怪異に遭遇したとき、殺し屋は狩られる側になるのか、それとも怪異を狩る側に周るのか。毎回いろんなタイプの殺し屋と怪異が登場するので面白いです！

　さらに、面白いのはそこだけでなくて、こちらの作品は振れ幅が魅力的です。
　コメディだと思いきや、コメディ抜きの不気味と恐怖が詰め込まれた展開になったり、…続きを読む

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（96文字）

『恐怖』と『笑い』この二つの情緒には
実は共通の　何か　があると思うのだ。
　この作品は、それを行動科学的に、
或いは大脳生理学的に証明してくれる。

　　　　　　　　そんな気がする。

作者は『笑い』を描けば容赦なく笑いの
渦へと引き摺り込むが『恐怖』を描けば
恐ろしさの底なしの闇へと、これ又
引き摺り込んでしまうのだ。

　　その《振れ幅》が、半端ない。

この作品は、まさにその振れ幅を思い切り
振り切って展開して行く。

まるで、怖いお化け屋敷を体感する様に。
エピソードの終に身を隠しながら、次、
行っていいのかな？と辺りを見回す。
『笑い』が出ても『恐怖』が出ても、
それは多分同じ。…続きを読む

人間を殺すもの……それは殺し屋とお化け。
そんなやつらが激突したらどうなるのか……？　どっちが勝つか？

殺し屋が怪異との邂逅を果たし、そして挑んでいく姿は常人ならざる世界に生きてきた人間特有の根性が垣間見えます。

そして息もつかせぬアクション。怒涛のバトルシーンはきっと読者を興奮へと誘うことでしょう。

ホラーであり、アクションでもある本作。オススメです！

殺し屋という、死と隣り合わせの仕事をしている強者と既に死んでいる幽霊のお話。
この２つの題材を掛け合わせた小説は割と新しいのではないでしょうか。
一風変わった怪談を、ぜひご一読下さい。