三分で読める第一部のあらすじ



 常識知らずの最強ヒロインを助けるため、ちょっとかっこつけな少年が奔走する、超王道ボーイミーツガール!


 剣と魔法のファンタジー世界。王国と帝国は戦争をしている。


 田舎村の少年、キサラギ・ヒロは、冒険者として活躍していた父に憧れて剣を振り始めるが、戦争に駆り出されていた父が死んでしまう。


 だから、憧れを打ち砕いた戦争を知るために、ヒロは王国軍の新兵となるが、初陣であっさりと死にかけた。その時ギリギリで、傭兵を名乗る黒髪赤目の美少女に助けられる。


 少女は何やらヒロを知っている様子。戦場では一旦別れ、後に再会した彼女は、レインと名乗った。


 結局彼女との関わりは思い出せなかったが、ヒロはレインに「友達になろう」と言われ、それを受け入れる。


 常識をあまり知らないから教えてほしいと語る彼女とは、毎日のように約束の場所で落ち合うようになり、やがて剣を教えてもらったり、一緒にお祭りに出かけたりと仲を深めていく。そして兵士としても成長していく。


 月日が経ち。激戦が予想される戦地に赴く前にレインと会話し、ヒロは彼女への想いに気づく。この戦いが終わったら今度こそ気持ちを伝えようと意気込むヒロだったが、負傷し、敵に追い込まれ、再び命の危機を迎える。


 そこに現れたのは、レイン。彼女の正体は、幼くして亡くなったはずの「王女」。そして、化物じみた死の魔法を操る「死神」と謳われる存在だった。


 ヒロは彼女の力と正体を知り、レインは、昔に自分が助けることができなかった少女だったことを思い出す。


 そして彼女が、契約魔法という人を奴隷にする魔法により国王に従わされており、魔法を解くには王を殺すしかないと知り。


 彼女を縛る呪いを全て断ち切るため、ヒロは「彼女の英雄」になることを決意する。


 一方で戦争は苛烈さを増すが、頭角を表したレインの活躍もあり、王国軍は帝国の重要都市に侵攻し制圧する。


 しかし王国軍内で反乱が起き、戦況は逆転。そのどさくさでヒロの標的であった国王が死亡してしまう。ただし呪いだけはレインに根強く残っていて、最後に下された「一〇万の敵軍を足止めしろ」という命令を実行するべく一人で敵軍に向かってしまう。


 それを知ったヒロは、初陣からの親友であるアッシュの協力の下、急いでレインの元へ向かい、実はもう心が折れていた彼女をギリギリのところで救い出す。


 そして彼女に「愛してる」と想いを告げ、喜びや戸惑いで感情が安定しなくなった彼女をうまく気絶させた後、魔法道具の力を借りて安全な場所へ送る。


 それからヒロは、彼女の代わりにたった一人で敵軍に立ち向かう。


 多くの敵将を倒すも力尽きたところを、幼い頃に助けてもらった恩を返しに来た、「この世界の神様」に助けられ、命を取り留める。


 結局、王国の敗北で戦争は幕を閉じた。


 その後、いつのまにか王国に帰ってきていたヒロだったが、神様から生き返らせた「代償」としてあらゆる記憶(思い出)を奪われてしまう。


 それでも友達の力を借りて、レインの前だけでは以前の自分を振る舞おうとするが、彼女によく指摘されていたちょっとした「癖」から、すぐにバレてしまう。


 そして、「あんたの知っている自分はどこにもいない」と語るヒロだったが、「今度は私が救ってやる」と告げるレインを見て、ヒロも救われた気持ちになる。


 最後にレインが「告白の答え」を返して、物語は幕を閉じる。


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