第31話 無能力者は・・・・・・・・

人生の目的は同じなのに、ぺぺ長谷川と大原扁理の違いは何だったのでしょうか。二人の年齢差でしょうか。


ぺぺ長谷川(53歳)、大原扁理(34歳、自著出版時の年齢)。つまり30代でまだまだ若い時期は、将来の事なんてどうでもいいわいと思えるが、50代になると体力も衰え生活がきつくなって、若いときに真面目に就職しとけば良かったと、後悔してしまう場合もあるのかもしれない。


しかしそれだけではないと思います。根本的な所で二人の人間としての能力差(生きる力)があるのではないでしょうか。


一々書いてませんが、傍から見て大原扁理は大変アグレシップな人間です。高校卒業後、大学には行かなかったが、バイトでためた100万円で世界一周旅行に出かけ、ニューヨークやロンドンで不法労働で生活費を稼いでいました。当然、ある程度は英語もできるはずです。

さらに彼には金になる副業があります。彼はアパートの更新料などは、時々入ってくるライターの仕事のギャラで払っていると書いてます。出版界にツテやコネがあるのです。これは彼の強みです。

そもそも、ちくま文庫から本を出すと言う点で、ある意味、普通のサラリーマンよりも、はるかに人間力が高い訳です。ビンボー生活に関する自著も何冊も出してます。


ペペ長谷川にはそのような力が残念ながら見受けられません。誰にでもできる肉体系の仕事をし、年齢とともにその仕事はきつくなって弱音を吐くに至ったのです。


身もふたもない言い方をします。


あなたが金になる特殊技能や資格を所有し、あるいはいつでも仕事にありつける体力系以外の業界にコネクションがないかぎり、貧乏生活は年を取ると非常に厳しいものがある。避けることができるのなら、避けた方が無難です。


それでもどうしても働きたくないというのなら、老残の身をさらす前に、自分の人生にケリをつける覚悟をしてください。自分の人生を自分の生きたいように生きて、もうそれができなくなったのだから、この世からおさらばするわ、さいなら、でいいと思います。


私はそれもありと思います。人がどう思おうと知ったことではありません。あなたの人生です。畳の上で大勢に囲まれての大往生も、一人寂しく自死も、死んでしまえばどちらも同じです。

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