コートの下のこと

その1 ユニオンスーツ


 男性下着の話。


 現代のような上下に分かれた肌着(シャツとトランクスみたいな)っていうのが生まれたのは、第一次世界大戦の頃らしいです。

 それまではユニオンスーツといって、一繋ぎワンピースで、手首足首まで覆っているものが主流でした。

 女性のコルセットといい、このユニオンスーツといい、戦時下という特異な状況で、面倒は淘汰されていくわけですな。


 ネットで「ユニオンスーツ」と検索すると――ベビー服が出て来ます(笑)

 現代ではこの名称だと、ベビー服を指すんですな。


 でも、形状は変わらないと思います。前開きで、手首足首まですっぽり。

 ベビー服とちょっと違うのは、お尻の方に排泄用の開口部があることでしょうか。赤ちゃんだったらお母さんがオシメを替えてくれるけど、大人は自分でしなきゃなりませんもんね。

 赤ちゃんからお爺ちゃんまで、男性はみんなこの一繋ぎの肌着だったと。



 ――前書きでちょっと触れましたけれど、

 私がこういう下着事情を調べるに至ったのは、ハーレクイン擬きを書く為でした。

 つまり、脱がすこと前提(←?)


 おいおい。

 男性はみんなこの一繋ぎの下着――ということはだよ。

 スカした伊達男も、危険な魅力の間男も、そのパリッとしたドレスシャツの下はうちの死んだじーちゃんが着てたラクダシャツと股引縫い合わせたようなの着てるわけかよ。

 それは面白い。ちょっと間抜けた絵面で笑える。


 しかし、そんなの着てるなんて、イケメンには許されない!(絵面的に)


 そんなこんなで、漫画とかでこの頃の時代を舞台にしている作品は、こいつの存在を無視しているものが多いのだと思われます。

 私は今のところ、ユニオンスーツを着た少女漫画(青年漫画やレディコミでもいいけど)の男性キャラは見かけていない。筈。

 唯一しっかりはっきりユニオンスーツを着ていたキャラで覚えているのは、『大草原の小さな家』のお父さんくらいだ。





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