近親の危うい愛情関係と赤の使い方が印象的

生きる人間の証拠としての血。分かちがたく結ばれた兄妹の行く末は。

幼い頃、亜希と祥吾の兄妹は、裏庭で遊んでいた。ザクロの木から実をもいで食べ、顔を赤く汚しながら、じゃれ合っていた。そんなとき、転びそうになった亜希 をかばって祥吾が庭石に頭をぶつけてしまう。「気にするな」。そう言い残し、祥吾は帰らぬ人となるのだが……。

どことなく漂う近親相姦的なエロティシズム。亜希と祥吾が赤く口を汚しながら、お互いの肌に歯を立て合う光景は耽美的な美しさにあふれている。また、ザクロの果汁と人間の血がオーバーラップして、残酷さと美しさが際立つ。

亜希と祥吾、二人の危うい関係がどう展開していくのか……お見届けください。

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