兄が残した頬の口づけは不幸の刻印か?

 現代ドラマとファンタジーが主戦場の猫小路葵さんの最新作。意外なことに、ダークなホラーでございました。この手の作品も書かれるんだなって思いましたが、印象的な好編でした。
 ストーリーは、柘榴の木の下で事故死した兄の翔吾の亡霊を、毎年同じ日に迎える亜希の物語です。とても仲がよかった二人。亜希は、自分のせいで死んでしまった祥吾をとても気にかけていましたが、ある年、「私、来年お嫁に行くの」と兄の亡霊に告げます。そのとき祥吾は……。
 柘榴の実には、確かになにか怨念めいたものが込められているイメージがあります。日本の果物って、みんなパッションがなくて、ネトーっとした、なにか籠っているイメージがあるんです。柿とか、ビワとか、イチジクとか。パイナップルあたりとはエライ違いです。と、前々から思っていました。

 最後の祥吾の口づけは、亜希が不幸になるための刻印か? また戻ってきて欲しかったのか?
 
 続きはみなさんの眼で確かめてください。
 この作品、お勧めいたします。
 

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