ダンジョンで人外に転生したら地上ではユニークモンスターとして大騒ぎになってました
ロイクロさん
第1話
ここはどこなんだろうか
ジメジメとした空気のこの空間に俺は全くと言っていい程見覚えがなかった
大きな長いトンネルの様に見える、壁には見たこともない宝石みたいなキラキラとしたものがそこかしこに埋まっていて何もないはずなのに何故か視界は明るい
何故か寝ていたようなので体を起こすが、違和感が俺を襲う
「俺の体、どうなってるんだ?」
いつもと感覚が違うと思って体を見てみるとそこには闇が人の形を模したかのようなものが見えた、俺の体である
手も見てみれば闇に覆われており爪の先は鋭く尖っていて最早人のものとは言えない
これはあれだ、恐らく最近流行りの転生というやつだろう
でも俺の前世の記憶の中じゃこんなやつ見たことがないし、見た目通り人ではないのだろう
確かに人外に転生する漫画や小説は呼んだことがあるが、転生していたのは所謂スライムやゴブリンの様な誰でも知っている魔物だった
だが俺は人外なのは分かるがどうやって生きてるのかも分からない、今感じている限り内蔵の様なものはどこにも見当たらないし
「しかも本当にどこだよここ、まぁ俺が人外な以上異世界と思うしかないんだろうが」
とりあえず突っ立っていても仕方がない
感じていないだけでお腹が空くかもしれないし喉も乾くかもしれない
状況が不明瞭すぎるがとりあえず死ぬのは勘弁だ
しばらく移動していて少しだけこの体や場所ついて分かった事がある
まず1つ目、この体のスペックが異常な事
少しだけ走ってみた所およそ人間とは思えない速度で走ることが出来た
俺自身もそのスピードに付いてこれていたので身体能力や思考能力がとても高いのだろう
2つ目、恐らくこの空間はダンジョンでないかということ
このトンネルの様な広く長い通路はずっと一直線であったがふと見てみると上へと続く階段が見えてきたのだ
階段があるということはこの世界には少なくとも人間は居そうと言うことが分かって一安心ではある
そして身体能力を試す時に壁を殴ってみたのだが、思ったよりも力を入れすぎたのか大きな衝撃と振動の後壁には大きな罅割れが出来ていた
驚いたのはその直後、その罅がゆっくりと元に戻っていっていたのだ
俺の知識の中ではダンジョンやら迷宮の壁は壊せないor壊せてもすぐ元に戻ると相場が決まっていたのでここはダンジョンなのではないかと仮説を立てた
そもそも俺は人外?魔物?だからこうゆうやつは大体ダンジョンにいるもんである
とまぁ適当に移動しながら考えているうちに何回か階段と出会い登って行ったのだがいきなり目の前に大きな扉が現れたのである
これはあれか?所謂ボス部屋というやつなのではないか
ダンジョンでは大体5階層や10階層等特定の階層になると普段より強力な魔物等が配置されている部屋があることがある
俺がいる所が一体何階層なのかは分からないが着実に地上へと近付いてはいるのだろう
ここで怖気付いてちゃ何もないので腹を括って扉を開けてみる
俺も同じ魔物だし多分襲われたりはしないはず(きっと)
扉を押してみると大きさの割にとても軽い
この体がやばいのか扉が軽いのかは定かではないが、少しだけ隙間を開けてひょこっと顔だけを覗かせてみる
するとそこには一体の大きな魔物らしき生き物とどう見ても人の様な少女がいた
まじかよ!思ってたよりもずっと早く人に会えて俺のテンションは上がっていた
魔物の方は3、4mはある赤い巨体に大きく盛り上がった筋肉と自身の身の丈と同じほど大きな大剣を背負っていた
それはまるでまさに鬼の様な感じである
対して女の子は片手には短剣、もう片手には盾を持っているまさに冒険者という装備だ
淡い緑色のポニーテールを靡かせながら魔物相手に互角に渡り合っていた
そして少女の後ろには謎のドローンの様なものがふよふよと浮いている、あれは一体何なのだろうか?
そう考えていると魔物が持っている巨大な剣を少女に向けて力任せに振り回すようにぶつける
間一髪盾で防げたようだが勢いを殺せずそのまま後ろへ大きく吹き飛んだ
これは少し不味い状況かもしれない、ここは助けるべきだろうか?
まぁ流石にせっかく会った第1村人を見捨てる訳にはいかないし、魔物の動きを見るに恐らく身体能力では俺の方が高い、というかそう考えるとあんなヤバそうなやつより多分強い俺の体は本当にどうなっているんだろうか
そうごちゃごちゃと考えている暇はなかった
魔物が少女の方へと少しづつ歩いていくのが見えた、俺は扉から体を出して全速力で魔物の方へ近寄る
1秒も経っただろうか、一瞬で魔物の背後へ移動し跳躍する
そして頭を目掛けて全力で殴る、すると魔物の頭からグチャというなんとも表現しがたい音が鳴り頭は文字通りどこかへ飛んで行った
魔物の体はふらふらと覚束無い足取りになりそのまま横にドスンと倒れた
すると魔物の体はサラサラと崩れ去っていきさっき魔物の体があった場所には宝箱が出現していた、ドロップ品というやつかもしれない
ファンタジーな展開に心を踊らせているとそういえば女の子を助けていたんだと思いだした
恐らく怪我をしてるだろうと少女の方を向くと、そこには剣を構え、こちらをとても警戒した様子の少女の姿があった
何故だ!?助けたのにそんなに警戒される事があるのだろうか...
そう考えていると自分の存在を思い出す
そうだ、俺は人の姿ではなかった
人に会えた喜びで完全に忘れていた
俺はかなり不味い状況に冷や汗(出てはいない)をかく
どうにかしてこの場を切り抜けなければいけない
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます