「どうしても食べられないです」その笑いが胸を苦しくさせる
- ★★★ Excellent!!!
愛も夢も卵の形をしている物語。そのままではコロンと転がって扱いを間違えれば割れてしまう。そんな危うさ。
孵らない卵なら、卵かけご飯になる。
その決意は揺るがなかった。彼女も彼を止めたかったが、尊重した。1年間の約束を飾って。
どうせ腐るならピータンになれたらよかったのに。……鶏はアヒルになることは出来ないから無理だろうけど、そんな妄想へ逃げたくなる。
1年間、部屋に飾った本の表紙を景色と馴染ませられるほどに日常にした彼女。その心情を想像してしまうとどうにも切なく胸がヒュンと狭くなる。
止めることが出来なかった彼女は、来ない未来を何度想像したのだろう。
忘れるためでなく約束を守るために踏み出した彼女。いつか卵かけご飯を本当に笑って食べられる日が来ることを切に願う。