何でも言い合える腐れ縁が、
そのまま恋に変わっていく。
本作が描くのは、
友情と恋愛の境界線が溶けていく瞬間である。
「試しに付き合ってみる?」から始まる二人の関係は、
驚くほど自然体だ。
気を遣わない会話、遠慮のない本音、
そして身体への素直な関心。
琢磨と栞の間には最初から信頼の土台があるからこそ、
恋人という肩書きが加わっても
二人の空気感は崩れない。
それでいて、キスの後に理性が飛ぶ琢磨や、
「琢磨のこと好きだよ?」と
不意に核心を突いてくる栞の姿には、
友達時代にはなかった熱が確かに宿っている。
「恋に鈍感だからこそ、自覚した時は沼る」。
栞のこの一言が、
二人のこれからを予感させて心地よい余韻を残すだろう。