もはや取り返しのつかない絶望から振り返る形で、この夏は始まります。
幸福で、無垢だった夏は、彼女との出会いから、さらに美しく幸せな日々となった。
彼女のその名と、そこに篭められた忌まわしい境遇を知ろうと、それもいつか覆せると思っていた。
けれどわずか数日で覆ったのは、その幸せな日々の方だった。
日々の裏側に隠されていたおぞましい歪みが徐々にその姿を見せ……そして、決定的な、そしてあまりに残酷な崩壊を見出したのは、それが決してあってはならない場所だった……。
美しい夏と、それが硝子のごとく割れてゆく物語。