別れの留守電

Yukl.ta

前編

そもそも彼女に恋をしたのが間違いだったのだろうか。

いや。

最初から自分には人を愛する資格など無かったのだろう。


だから僕はその恋心を無視すると決めた。



仮に、己の人生の中で十数年の間、努力を続けてきた事があったしよう。

継続は力也(なり)。

それが仕事でも勉学でも趣味でも鍛錬でも…生き様でもいい。


そんな必死で積み上げたものの隣りに1秒で座るモノがあるという。

それが愛だ。


男のとっての女。

女にとっての男。


恋とは落ちるモノ。

愛とは流れるモノ。

時に濁流となり人生を予測のできない奈落に導く。


その時の僕は、それが幸福だとは思えなかった。


僕に足りなかったモノは、たぶん『覚悟』だった。

だから僕は、彼女を拒絶した。



それ以来。

彼女が僕の元から去った今でも、彼女は僕のその覚悟を試してくる。


毎晩毎晩、のだ。

それは、だった。


その留守電の音声は次第に生々しい肉声となり、

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