味噌汁を見る、ただそれだけでこんなに怖くなるとは……

 話の緩急が素晴らしい作品でした。

 これはある家庭に焦点を当てた話です。主人公は義母と暮らしているのですが、彼女はとても穏やかな人で、夫婦の生活にも口を出さないし、主人公は自分は恵まれていると思っていました。

 しかし、そんな義母にはひとつだけ不気味なところがありました。
 毎朝、日課である散歩から帰ってきたあとの朝食で、彼女は味噌汁を睨み出すのです。
 そして今日は大丈夫かそうでないか、口にします。
 彼女が言うには、味噌汁に波紋ができているかどうか調べているらしく、もしそれができていたら、その日、だれかが死んでしまうというのです。

 そんな馬鹿な話があるか、と思うけど、義母の予知ははずれたことがないらしいです。

 主人公はそのことについて夫に訊くと、あれは霊能力じゃないと言い、もっともらしい説明をするが……。

 最後まで読んでゾクッとしました。
 普段は穏やかな義母だからこそ、不気味な面があることがなおさら怖いです。
 
 穏やかな義母の話→実は彼女には不気味な面がある→夫が義母の霊能力を否定→そしてゾクッとする結末……と話の浮き沈みのさせ方が素晴らしく、物語に引き込まれてしまいました。

 サクッと読めますし、おすすめの作品です!

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