真の怖さは……

子供のころからエリート街道をまっすぐ突き進み、素直にメガバンクに入行、今や1400万円の年収を稼ぐようになった鈴原さん35歳。ところが彼は、世間の人が羨ましさに歯ぎしりして歯を折り、地団駄を踏みすぎて捻挫してしまうくらい恵まれた人生を、すっかり捨ててやり直すことを決意するのです。それも――

ヤンキーになることで。

その理由は、今の人生が楽しくないから、でした。多くの人が羨む人生を手に入れたはずなのに、満たされない。その時彼が思い出したのはヤンキーだった同級生のことでした。過激な行動をとっていたにもかかわらず、人望があり、とても生き生きしていた彼。やりたいことを躊躇わずにやり、人生を謳歌していた彼。今の自分となんという違いだろうか、そう思った鈴原さんはついに、一歩を踏み出すのです。

鈴原さんはヤンキーとして生まれ変わろうと、きわめて真面目に努力し始めます。真面目はお手の物です。この集中力で今までなんでもすぐに身につけてきたのでしょう。でも、なかなかヤンキーになりきれず、充実した人生には手が届きません。これは、やはりスタートダッシュが遅かったから? いやいや、35歳はおじさんだけど、まだぎり、いけるんじゃね? がんばり続ける鈴原さんですが、ヤンキー修行に悪戦苦闘、苦心惨憺、ついに人生の行き止まりにぶちあたり、にっちもさっちも行かなくなってしまいます。

もしも彼が道を踏み外したのだとすれば、それはいったいどこだったのでしょう。

ブラックユーモアを描かせたらピカイチのジロギンさまが贈るフェイクドキュメンタリーです。

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