私を推してくれるのは
- ★★★ Excellent!!!
パートナーを喪った母が推しに出会って救われた。
誰に対しても等しく希望を届けてくれる人気アイドルは、娘の私ですら届かなかった領域にたやすく踏み込んだ。
母は自分よりも彼のことを大切にする。
無論――私よりも。
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今の時代は良くも悪くも「家族」の枠組みが変わっている。
厳重なしきたりに守られた聖域などではなく、ルームシェアする誰かくらいの感覚ですらある。
昔からアイドルに熱を上げる人はいたし、問題のある家庭はあった。
だが、情報がシェアされ、個人の生き方が正当化されて以降、姿すら知らない他人が近く、日夜出会う隣人が遠くなった。
この短編の優れた点は、現実要素のバランスだろう。
過度に毒を盛らない。けれども危うい感じにはする。
話の収束も含め、地に足のついた作品だと思った。