犬の本音が笑いと冒険を連れてくる異世界譚
- ★★★ Excellent!!!
主人公が犬というだけでなく、その犬らしい本音が物語の面白さを強く支えている作品である。タタロオは犬小屋の奥からマガハラ大陸へ入り、人間に近い姿となってしまうが、驚き方も考え方もどこか犬のままで、そこが実に楽しい。とくに、チャウ丸とシャムりんを仲間に誘い、地球のガラクタを持ち込んで異世界で価値ある品として売ろうとする場面は、この作品らしい発想の妙がよく出ている。気取った勇者ではなく、犬と猫の目線で世界を切り開いていくため、笑いながら自然に先を読みたくなる。軽やかな会話の奥に、仲間との冒険、異世界の謎、ヤメーメ王国をめぐる騒動が広がっていく。犬好きにも、変わり種の異世界冒険を読みたい人にもすすめたい作品である。