爽やかを体現したような紹介。


 レースというのは、どうして人を熱狂に駆り立てるのだろうか。

 選手各位はもちろんのこと、運営も、チームメイトも、観客も、視聴者も、すべてが一丸となって前に動くのだ。

 本作はレースの魅力をそのまま文章に落とし込んだような短編。




 アフリカ、エリトリアのロードレース選手、ビニヤム・ギルマイ。

 想定外のアクシデントをも乗り越え、ロードレースの世界最高峰、ツール・ド・フランスで華々しい戦果を収めた。


 私は今まで、彼のことを知らなかった。

 この作品には、ロードレースを調べたくなる熱量が備わっている。

 ギルマイ選手のエピソードがそうさせたのか。それも無論あるだろうが、それだけじゃない。

 レース競技が持つ雰囲気……一刻を争う極限と、はっきりと見える火花、そして突き抜ける感覚=清々しさがありありと表現されていたのだ。

 そう、はっきりと言える。

 爽やかな風が吹いたのを確かに感じたのだから。