第6話 エロサプライズ

 週末の夜、俺はマンションのリビングでくつろいでいた。


 外は激しい雨が降り続いていて、窓ガラスを叩く音がBGMみたいに響く。


 テレビをぼんやり見ながら、ビールを一口。会社の一週間を振り返ると、相変わらずの混沌。


 清香のからかい、瀬川先輩の視線、葵のストレートな言葉。

可憐のメモもまだ財布に入れたまま。


 なんだか、社内の女子たちの空気がいつもと違う気がして、頭が少し重い。

まあ、考えすぎならそれでいいんだが。


 すると突然、インターホンが鳴った。

時計を見ると、夜の10時過ぎ。


 誰だ? モニターを確認すると、そこに立っていたのは小野坂だった。


 ずぶ濡れで、髪が顔に張り付き、服が体にぴったりくっついている。え、何事? と慌ててドアを開ける。


「せんぱーい! 助けてー! 雨すごくて!!ブラジャースケスケなんですよー!このままじゃ、屈強な雄に犯されるー!!」


 彼女は笑顔で飛び込んでくる。

顔が真っ赤…泥酔してるのか?

てか、何叫んでんだよ!!

ということで、急いで扉を開けて、中に入れる。


 そして、俺はタオルを渡しながら、聞く。


「どうして俺の家知ってるんだ?」

「会社の名簿で見たんですよー! 今日、近くで飲み会やっててー、外出たら大雨で、タクシーもう捕まらなくて…近くだったから寄っちゃいました!」


 こいつ…名簿で住所メモるなんて、普通するか?

まぁ、こいつならやりかねない…か。

彼女はタオルで髪を拭きながら、リビングに勝手に上がり込む。

ソファに座って、深呼吸。


「ふー、生き返るー。先輩の家、いい匂いしますねー。女の匂いがします」

「嘘つくなよ。入れたことなんてないぞ」

「挿れたことがない…ね…っふ」

「追い出すぞ、こら」


 俺はキッチンで温かいお茶を淹れながら、様子をうかがう。


 彼女の頰が赤くて、目が少しトロッとしてる。

飲み過ぎだろ。

外の雨音が強くなって、雷まで鳴り始めた。

仕方ない…帰すのも危ないか。


「とりあえず、お茶飲んで、落ち着いたらタクシー呼ぶぞ。濡れた服はどうする? 俺のTシャツなら貸すけど」

「えー、いいんですか? じゃあ、いっそ、お風呂借りちゃおうかなー! ずぶ濡れで冷えちゃったんで!」


 そう言って、彼女は脱衣所に向かう。

俺はリビングで待つことにしたけど、心臓が少し速くなる。


 ったく…相変わらずの想定外だ。

天然でぶっ飛んでるけど、悪い子じゃないから何とも扱いに困る。


 少しして脱衣所のドアが開いた。

俺は振り返って、固まった。


 小野坂が全裸で出てきたんだ。


「せ、先輩!!ご、ゴキが出ました!!はやく!!」と、タオルも巻かずに走ってリビングに入ってくる。


「おまっ!?//タオルで隠せよ!!//」

「だって、ゴキがいるんだもん!!照れてないで早く殺して!!」

「わかったから!!//」


 それから脱衣所に行き、数分の格闘後、ジェットで始末する。


 そうして、リビングに戻ると…。

そこには我が家のように全裸でソファに座り、Netflixを開く小野坂の姿があった。


「お前なー…//」

「いやだって、服もタオルもあっちにあるんで、仕方なくないですか?むしろ、先輩は後輩を全裸で放置するタイプのドS王子様系だったんだなと感心してたくらいです」

「…早く入ってこい」

「ういっす!!」


 それからお風呂に入る小野坂…。

人の家の風呂で大熱唱してるし、全く…あいつには本当に…。


 それからしばらくして、お風呂から上がってくる小野坂。


「ふひー、気持ちよかった〜。セックスくらい気持ちよかったー」

「…お前なぁ」

「あ、先輩は知りませんもんねー、本物のセックス。愛するもの同士のまぐあい…」

「あーはいはい知りませんよー」と、そのままトイレに行く。


 そして、帰ってくると…スマホとテレビを接続し大音量でAVをみていた。


「おまっ!!何してんだよ!//」

「見てください、この私の演技。すごくエロくないですか?」

「お前のAVかよ!!//」と、そこには少し若い小野坂があんあん言ってる動画流れていた。


「AV女優が目の前にいる気分はどうですか?」とか言って谷間をちらつかせてくる。


「…お前なぁ…//」

「ノリ悪いなー。こんなえっちなサービスしてるのにー」

「早く寝ろ」

「いっしょに寝ましょーよー!何もしませんからー!」

「絶対なんかする気だろ!」


 結局一緒になることになったが、一瞬で寝る小野坂だった。



 ◇翌朝


「あれ? 先輩の家? ……あ、昨夜の記憶、ちょっと飛んでるかも。でも、楽しかったですよね? また来ちゃおうかなー!」


 俺は苦笑いするしかなかった。

社内の空気が、ますます複雑になりそうだ。

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