第5話 未来へ

 あの屋上でのキスから、数日が経った。

学校に行くのが、なんだかドキドキする。


 恭平の顔を見るだけで、頰が熱くなる。

休み時間に彼の席に行くと、自然と手が触れそうになって、慌てて引く。


 クラスメートたちの視線が、以前より増えた気がする。


「神崎さんと平岡、付き合ってる?」みたいな囁きが聞こえてくるけど、否定しない。


 むしろ、認めたくなる。

でも、まだ正式に言葉にしていない。

リベンジのつもりが、こんなに本気になるとは思わなかった。


 未だに美琴の存在が、少し気になっていた。

あのボーイッシュな子、恭平の隣の席でいつも通り話してる。


 嫉妬はもうないけど、なんとなく複雑は気持ちは拭えなかった。

放課後、美琴が私に話しかけてきた。

陸上部の練習前で、トラックサイド。


「神崎さん、恭平のこと、好きなんだよね? あいつ、最近顔が緩んでるよ。私のアドバイスが効いたみたい」


 彼女の笑顔は爽やかで、昔の自分を見てるみたい。少し照れながら、頷いた。


「うん……ありがとう。美琴も、恭平の友達でよかった」


 美琴は肩を叩いて、走り去った。

友情みたいなものが、芽生えた気がする。

でも、佐藤大吾の影がまだ残ってる。

あの奴、諦めてないみたい。

文化祭の準備中、クラス委員の私に近づいてきて、また誘ってきた。


「神崎、俺と一緒に文化祭の出し物担当しない? 平岡じゃ、面白くねえだろ」


 相変わらず、恭平を馬鹿にした態度。

イラッとして、はっきり言った。


「もういい加減にしなよ。恭平は、私の大事な人だから」


 佐藤はびっくりした顔で、引き下がった。

ようやく、吹っ切れたみたい。

文化祭当日、クラスのお化け屋敷で、恭平と一緒にシフトが入った。

暗い中で、手を繋いで待機。心臓の音が聞こえそう。


「穂波、俺でよかったのか? もっとかっこいい奴がいるのに」


 恭平の自己評価の低さが、また出てきた。でも、今は可愛く感じる。


「バカ。あなたがいいの。昔から、今も、これからも」


 そう言って、暗闇でそっとキスした。

お客さんが来て、慌てて離れたけど、笑いが止まらなかった。

文化祭の賑わいの中で、私たちの青春が、ようやく実を結んだ。


 穂波とのキスが、頭から離れない。

バイト中も、ふとした瞬間に思い出して、顔が熱くなる。


 学校で穂波が近づいてくると、ドキドキする。

クラスメートたちの噂が耳に入るけど、悪い気はしない。

むしろ、誇らしい。

美琴が、休み時間にからかってくる。


「恭平、おめでとう。神崎さんと上手くいってるみたいじゃん。私、ちょっと寂しいけどね」


 彼女の言葉に、感謝した。

美琴は友達として、ずっと支えてくれた。

陸上部の試合の話をして、俺を励ます。


「次は、私の試合見に来てよ。神崎さんも一緒に」


 頷いて、約束した。

三人でいる時間が増えそうだ。

でも、佐藤の存在が、少し気になった。


 文化祭の準備で、穂波に絡んでるのを見た。俺なんかじゃ、穂波を守れないかも……。


 自己評価の低さが、胸を締めつける。

でも、今回は違う。

準備室で佐藤がまた穂波を誘うのを見て、割って入った。


「佐藤、穂波は俺の大事な人だ。もう絡むな」


 声が少し震えたけど、佐藤は意外そうに目を丸くして、去っていった。

穂波が、俺を見て微笑む。


「恭平、かっこよかったよ」


 その言葉で、自信が少し湧いた。

文化祭当日、お化け屋敷のシフト。

暗い中で穂波の手を握る。温かくて、安心する。


「穂波、俺でよかったのか? もっとかっこいい奴がいるのに」


 穂波の返事は、優しかった。


「バカ。あなたがいいの。昔から、今も、これからも」


 暗闇でキス。

短いけど、永遠みたいだった。


 お客さんの悲鳴が聞こえて、現実に引き戻されたけど、心は満ち足りた。


 文化祭の花火が上がる夜、穂波と並んで見上げる。バイトのシフトを調整して、もっと一緒にいられるようにしよう。


 俺の青春は、穂波と一緒に、まだ続く。


 引っ越しの時以来の空白が、ようやく埋まった気がした。



未来が、明るく広がっている。

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俺が昔振ったらしい幼馴染がめちゃくちゃ可愛くなってリベンジかましてきたが、そもそも振った覚えがないのだが 田中又雄 @tanakamatao01

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