お前の全てを奪ってやったぜ!と言われたがほとんど無傷な俺はどうすればいいの?悲しむマネをすれば満足してくれるのか?

月鈴

第一章 全てを奪われたのか?

第1話 いきなりの追放宣言

「サウス辺境伯家嫡男ユリウス、お前を勇者パーティーから追放する」


 いきなりの追放宣言……



 タイタニア王国の王太子で勇者パーティーの一員【聖騎士】でもあるエラソン王子が俺に向かって指を突きつける。


 金髪蒼眼の色男だ。


 痩せ型に見えるがしっかりとした筋肉で武装されたソフトマッチョ君。



「そうだな。特に役に立ってないからな」


 エラソン王子に同意してるコイツは今代の【勇者】様。


 ハーメツ侯爵家嫡男ワルツ君。


 こちらは茶髪で紅目をした優男だ。



「そうね。それが良いわね」


 それに続いての発言は勇者パーティーの【弓術士】タイタニア流弓術免許皆伝の腕前で、この国の第二王女様そして俺にとっての婚約者その一のエリザベス。


 エラソン王子とは腹違いで側室の子だ。


 金髪のドリル巻にしたTHE・お姫様って感じで勝ち気な蒼目で睨んでいた。


 すとーん、と言う感じの体型。


 ツンデレしてくれそうな美少女。


 このタイタニア王国では長い戦乱と疫病えきびょうで男子が異常に少ないので、高位貴族は義務で複数人の婚約者がいる。



「ん~、さんせ~」


 この常に眠そうな女の子が婚約者その二でもあるガルフ公爵家三女であり、勇者パーティーの【魔術師】でもあるミリアン。


 紫の髪に紫の目をしたこちらはダイナマイトよろしくな体型だ。


 こちらも顔が整っている美少女。



「皆さん、考え直して下さい」


 一人だけ反対しているのはこれまた婚約者その三で、俺とは幼なじみでもある【聖女】の辺境伯家の寄子ザンゲル子爵長女アルメリア。


 桃色髪に桃色目をした優しげな感じがして、こちらも爆撃機ばくげききどうぞっな体型だ。


 体型からも聖女様々せいじょさまさま母性あふれる美少女。



 そんな感じで今、責められているのが俺……


 サウス辺境伯家の嫡男でユリウス、黒髪黒目の元日本人の転生者だ。


 一応勇者パーティーの《荷物持ち兼雑用》という役割を与えられている。


 そして全員が王立学園の同級生の十八才。



 普通はこういうのやるのは酒の匂いと、男達の汗の匂いが混じった冒険者ギルドに併設する酒場とかでやるもんだろう?


 転生者の俺には違和感しかないぞ。


 だって今ここは大陸最大国のタイタニア王国の王城で、只今絶賛ただいまぜっさん謁見中ですよ。


 貴族って何人いるの? くらい並んでるし、しかも近隣に現れたオルトロスの討伐完了報告中なんだよ。


「空気読もうぜ」とか思っていました。




「それはどういうことじゃ?」


 どこから見ても王様。


 第二十六代タイタニア王国ジメッツ王。


 被ってる王冠と赤いマントで分かりやすいな。




 俺を除く勇者パーティーが俺の出来なさを、王様と周りの貴族達に説明している。


 アルメリアだけはオロオロしていた。


 それとここには各種ギルドのグランドマスターや有名商会の会長や冒険者や傭兵などのクランマスターに他国の大使等、結構な大物も参加している。



王太子殿下様と勇者君のツートップが、俺の左右に来て肩に手を置き。



「お前の大事にしていた者は俺達が頂いた。アイツら美味うまかったぞ。残念だったな。これから辺境の田舎も大変な事になるしな。家族に無事会えるといいな……」




 あっ、そうか俺を沢山の人達の目の前で罵倒するのが目的かな?


 辺境伯家の力をぐ事?


 婚約破棄?


 これだけの事だ、王家に多くの貴族家が関わってるな。


 色々と思い当たるなっと考えていると、



「話しは分かった。ユリウスの勇者パーティーからの追放を宣言する。それにより我が娘エリザベス及びガルフ公爵家ミリアン及びザンゲル子爵家アルメリアの婚約を白紙とする!」



 ジメッツ王の宣言により、いきなり俺は独り身になりました。



「おー」「さすがジメッツ王様ー」「辺境伯家も終わったな」「ゲラゲラ」「付き合い方を考えねば」



 様々な罵声ばせい歓喜溢かんきあふれる声で会場が揺れた。人の声って結構なパワーがあるんだなとか思ってた……




「ワハハ。残念だったなユリウス。ミリアンもアルメリアも俺が貰っとくぞ。もはや、二人は俺の女だがな。安心して辺境へ引っ込め。田舎者め、その田舎が無くならないといいな」


 エラソン王子が高笑いしながら言い放つ。



「まあ、そういう事だ。エリザベス王女様は勇者である俺が相応しい、俺はお前がキライだったからな」


 勇者ワルツも腹を抱えて笑い転げた。



「そういう事ね。そもそも私は王都から田舎へ行く気はないの。しかも貧乏臭さいし……」


 オホホっとおうぎで隠しながらエリザベスは満面の笑みだ。



「ん~、辺境なんて面倒くさい」


 眠そうに目を擦ってミリアンが言う。




「あの、その……ユリウスごめんなさい」


 桃色髪を下げて謝るアルメリアだ、気まずそうに下を向いたままだ。




 会場全体がユリウスに軽蔑と嘲笑あざわらいで収拾しゅうしゅうがつかなくなっていたが、



「あははははは……腹痛い。予想通りの展開過ぎるだろう。しかもこっち見て笑ってたあの顔が面白すぎ。ドヤ顔もあんなに並んでされると凄い威力だな。あははははは……」




 赤い絨毯じゅうたんの上で呼吸困難なくらい笑い転げているユリウス。


 全員の視線を受けながらもなかなか、笑いをえることが出来なかった。




「オッケーオッケー、話しは分かった。ジメッツ王このユリウス・フォン・サウスしかとたまわりました。これだけの証人がいる中でまして他国の方まで居てくつがえす事はできませんよ!」




 右手を左胸の前に手を置き左手は腰に正式な礼を深々とする、ユリウスに誰もが見とれる程の綺麗なお辞儀をみなが、ただ見つめていることしか出来なかった。

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