騒がしく始まるのに、最後まで姉弟の距離から目が離せませんでした
- ★★★ Excellent!!!
女神まわりの慌ただしさや、異世界の生活の可笑しさで軽快に進むのに、この作品でずっと残るのはミナトとマナ姉の距離でした。
森でのすれ違い、街に出てからの暮らし、赤札をめぐる話まで、場面ごとの面白さはしっかりあるのに、どこを読んでもこの二人の関係が芯に通っているのが好きです。
特に良かったのは、強い言葉や大きな事件だけで押さず、食卓や帰り道や何気ないやり取りの中で、二人の関係が少しずつ変わっていくところでした。
熊肉カレーの回みたいな、生活の手触りがそのまま感情の積み重ねになっている場面がとても印象に残っています。
終盤はきちんと向き合うべきものに向き合いながらも、この作品らしい可笑しさややわらかさが最後まで消えなくて、読み終えたあとに二人のこれからをもう少し見ていたくなりました。
賑やかで読みやすいのに、姉弟ものとして残るものがちゃんとある作品だったと思います。