ある日異世界に転生した主人公鉄平。
彼の前には、とっても可愛い女神様。
「ハーレムになりたい」という願いを示した鉄平に対し、女神様は試練を与えます。
その試練とは、
「ギャルゲーの世界で“友人として”10人の主人公をハッピーエンドに導け」
というもの。
こうしてこの物語は、いわば
「十人十色のラブコメの短編集」
という形式で進んでいきます。
しかし、本作の最大の見どころは、鉄平が試練を経るたびに人間として成長していく過程と、それを見守る女神様の心情の変化にあると思います。
つまり、短編の瞬発力と、一本の筋が通った長編としての魅力を兼ね備えた、傑作と言えます。
そして何より恐ろしいのが、これが本編ではないということです。本編の異能バトルファンタジーへの前日譚だということです。
いやいや、前日譚のクオリティじゃないでしょ……笑
まず、ネタバレをしたくないのでこの作品の素晴らしい構造について語る。
端的に言えばオムニバス形式に近いようであるが、その実、登場する“Case”で分けられた世界ごとで繋がっているのはこの物語全体の主人公である鉄平と、彼に試練を与える女神様。
そういう視点で言えば、試練に立ち向かう鉄平が主人公の長編であるのだ。
しかし、当然ながら各世界にはそれぞれの主人公が存在しており、多種多様な展開が待っている。
この二つの視点から楽しめる構造はこの作品の類稀なる魅力であるだろう。
さらには、登場する人物たちの魅力も惜しみなく発揮されている。詳細を書いてしまうとネタバレになってしまうので控えめに書くが、私は主人公、鉄平の人となりにとても惹かれた。
読み進めていくにつれて、あなたに刺さるエピソードや登場人物が現れるかも。そんな期待ができる作品だ。
私はCase4のエピソードが刺さりすぎてしまったのでそこまで読んだ段階のレビューであることを留意願いたい。
だが、多くの人に読んでもらいたい作品であることは確信している。
タイトルに惹かれた人はもちろん、人間関係や主人公の成長、恋愛の始まりと成就を追ってみたい読者にオススメの作品だ。
前世で事故死した鉄平が、ギャルゲー世界の主人公の友人として恋の応援をする。というお話です。異世界の女神さまから熱い視線を注がれたりしながら、鉄平自身の成長や気付きが描かれていきます。
面白いのは、ギャルゲー世界の主人公視点から始まるお話が多いという点です。
そのため、鉄平が主人公の恋を実らせようと奔走するだけのお話ではなく、主人公自身の選択や成長が見られる青春物語として成立しているのが素晴らしいです。
女神さまから課された試練のたびに、異なる世界の主人公たちの物語を楽しむことができますよ!
その合間を縫って進行するのが、鉄平と女神さまとの関係です。少しずつ近づいていく彼らの気持ちの変化も、本作の見所です。
軽快な文章でストーリーもテンポよく進むので、ストレスフリーにラブコメを楽しみたい方にお薦めです!
物語は、事故死した鉄平が、ハーレム主人公に転生するという願いをかなえるために、女神様から試練を与えられるところから始まります。
この試練が、10個のラブコメ世界でカップルを成立させる、というもの。
試練を完遂しなければ存在が消滅するという理不尽を背負いつつ、鉄平は一つ一つの世界でカップル成立の課題に立ち向かいます。
しかし、各ラブコメ世界が抱える課題は一筋縄でいくようなものではなく――。
主人公の親友ポジション、いわゆるサイドキックに焦点を当てた物語です。しかし、恋愛描写の主軸は基本的に鉄平ではなく、あくまで、オムニバス形式で描かれる各恋愛物語の主人公たちです。
物語が変わるたび、主観や雰囲気、仕掛けがガラリと変わり、毎回全く新しい恋愛ゲームをプレイするみたいに、期待して読むことができます。
また、物語全体を通して女神様と鉄平の楽しい掛け合いのやり取りも、この話の持ち味です。物語の幕間の緩衝材として機能し、前の物語の気持ちの整理ができたり、次の物語を新鮮な気持ちで読むことができました。
そして何より私が惹かれたのは、没入を促す文体の工夫です。物語が変わるたびに、物語の起伏だけでなく、そのトーンの違いや言葉の長さ、絶妙な間、匂いや温度の期待が丁寧に描かれています。これが読んでいてとても心地よくて、一行一行を読み進めるのがとても楽しみになります。
なお、私はこの物語の本編にあたる『ギャルゲー主人公の友人なんだけど 主人公が呪言師で選択肢がバグってる』については未読です。ですが、この物語は本編未読でも楽しめるようになっていました。これから本編を読むのが非常に楽しみです。
いくつもの異なる世界で恋愛成就に奔走する物語、
おススメです!