鮮やかな色 濃くも甘い香り 惑わされそうな春間近の空気

二月中旬に『爛漫の春』を描いて欲しいと依頼をされた絵師の男。
情景は頭に浮かぶのに、描いても描いても納得のいくものにならず……。

イメージしたものが上手く形にならないもどかしさ。
創作をされている方なら、誰もが感じたことがあるのではないでしょうか。
そういう時は、不思議な場に知らず心が惹かれるものかもしれません。

そんな絵師が気晴らしに出掛けて出会うのは、咲きかけの紅白梅と春を呼ぶメジロ。
浮かべど形を成さなかったものが、鮮やかな紅白、黄緑といった色、濃くも甘い香りによって、絵師にも、そして読者にも強く働きかけてきます。
作者様のその表現は、まさに今にも春がやってきそうな今の時期にぴったり。

惑わされそうな春間近の空気、是非とも感じてみてください。
お薦め致します。

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