第4話 そもそもランクって何なんだ?

 俺は斯詠かくよむ書浪かきろう。カクヨムで総合ランキングに乗ることを目標にし始めた。


 まず、何かを達成するには目標が必要だ。

 あのランキングには、どうやったら乗れるんだろう。

 あのランキングに乗れば、どれくらいのPVがもらえるんだろう。


 俺は総合ランキングを上から一つずつ眺めていく。

 ジャンルは異世界ファンタジー、現代ファンタジー、異世界、異世界、現代――そんな並びだ。


 なるほど。

 異世界ファンタジー、現代ファンタジーじゃないと、乗るのは難しいんだな。

 ファンタジーかぁ。あんまり得意じゃないけど、ランキングに乗れないならやってみようかな。


 基本的には長文タイトルが良いらしい。

 俺は召喚系の主人公で行くことにして、タイトルを書き始めた。


 俺にとっては、あまり読み慣れない異世界系だ。

 いくつか勉強した。

 ランキング上位の作品を読み漁った。

 流行りのタグも付けてみた。


 構想を練った。

 最初にある程度の話数を投下しないと、評価されにくい気がしていたので、十話は最初に投稿することにした。

 執筆期間は二か月。慣れてきたのか、前より短くなった。


 そうして、俺は投稿ボタンを押す。


 『召喚されたけど、倉庫番に配属された〜王城の地下倉庫で静かに暮らすはずが、俺の作った入出庫ルールがなぜか国家機密扱いになってしまった件〜』


 流行りのファンタジー。

 前よりも格段に上がった文章力。


 投稿した後、俺は『参勤人生』の番外編も投稿した。

 末尾には新作を紹介するコメントを書いている。


 ⭐ ⭐ ⭐

 新作投稿しました。

 自信作です!

 召喚された主人公は勇者でも賢者でもなく、王城地下の倉庫番に配属された!

 欠品と横流しで崩壊寸前の補給線を【棚卸し】と【発注最適化】で立て直し、気づけば戦争の勝敗を握る裏ボスになる話。


 (作品URL)

 『召喚されたけど、倉庫番に配属された〜(略)』

 ⭐ ⭐ ⭐


 そして投稿開始から二週間。

 ピクリともしないPVの前に、俺は絶望していた。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇


 こんにちは。作者のメモ帳パンダです。

 最近、昼間の眠気が強くて病院に行ったら、糖尿病予備軍と言われました。


 さて、苦難の道を歩き始めた斯詠かくよむくんの物語を、第三者目線で見ていきましょう。


 

 > まず何かを達成するためには目標が必要だ。

 > あのランキングにはどうやったら乗れるんだろう。


 基本です。これはすごく大事です。

 登山するときに山の高さを調べない人がいるでしょうか?……結構いますね。

 まぁ、とにかく「一週間に★が何個付けばランキングに乗れるのか」くらいは調べてからランクバトルを始めましょう。


 ちなみに週の魔境具合にもよりますが、目安を置いておきます。

 ★500/日があれば総合日間1〜3位になれます。

 ★1000/週があれば週間総合10位にはなれます。


 もちろん、これは本当にざっくりです。

 ランキングにはフォロワー数も関係あります。


 

 > あのランキングに乗ればどれくらいのPVがもらえるんだろう。


 これも同じです。

 山というのは景色がいいのを知ってるから登るのです。景色が悪い山に登る人は……結構いますね。


 まぁ、とにかく、ランクに乗ることでどれくらいのPVがもらえるのか、ざっくり書いてみます。

 体系的な調査があるわけではありません。

 だけど、数倍単位でズレるような大違いはないのではないでしょうか。


 1位 100k PV/日あるっぽい(Xでの報告より)

 2位 70k/日程度(実体験)

 3位 50k/日程度(〃)

 10位 20k/日程度(〃)


 なお、日間PVを5万で一か月維持できれば、大体、月7万円程度のカクヨムリワードが入ります。

 そして大事なことですが、一度得た日間PVはなかなか減衰しません。

 毎日更新している限り、ランク外になっても既存の読者は急に離れたりはしないのです。

 つまり、総合ランク3位の人を見かけたら「月7万はもらってるんだなー」と思っていいです。


 

 > 異世界ファンタジー、現代ファンタジーじゃないと乗るのは難しいんだな。

 > 基本的には長文タイトルが良いらしい。


 実を言うと、これは必須ではありません。

 この二つが有利なのは事実です。

 だけど、どんなジャンルでも、どんなタイトルでも、総合ランクに突っ込めます。

 そう、『あなた』に参加資格があるならば。


 僕は『あああああ』というタイトルの小説を総合ランクに突っ込める自信があります。

 迷惑行為なのでやりませんし、さすがに10位以内は難しいかもですが。ジャンルも別になんでもいいです。

 なぜ僕にこれができるのかは、次話以降で述べます。


 僕が必須だと思っているのは三つの条件だけです。

 ちなみに週間総合ランクトップ10を見ると、大体この条件を満たしています。①はたまに例外があります。


 ① ランクに乗せようとしている作品が、既に20話程度(5万字)はあること

 → 短すぎる話に読者は★を入れません

 ② 男主人公

 → カクヨムでは女主人公は受けないです。なろうでランクバトルしてください

 ③ 一日1投稿以上

 → カクヨムガチ勢の最低条件です。毎日投稿の覚悟がないならランクバトルをやめましょう


 

 > 最初にある程度の話数を投下しないと、評価されにくい気がしていたので、十話は最初に投稿することにした。


 これは大事なことです。ランクバトルをするなら、書き溜めを最初に投下してください。


 大事なのは、★評価とフォローのピーク、二つのタイミングを合わせること。

 あなたのファンは新作連載を聞きつけて作品をフォローしてくれます。

 しかし、まだ1話しかなかった場合、作品に★は入りません。短すぎて判断できないからです。


 ランキングというのは★とフォローの合わせ技です。

 ★とフォローを同時にもらうには、ある程度まとめて投稿する必要があります。

 そうすれば瞬間火力が上がります。ダラダラ評価をもらえることに意味はありません。

 できれば、この投稿時のブーストで日間総合ランキングの20位以内には乗りたいですね。


 

 > 投稿した後、俺は『参勤人生』の番外編も投稿した。末尾には新作を紹介するコメントを書いている。


 これ大事です。やってない人はもったいない。

 『あなた』の既存作品のフォロワーは、潜在的な作者フォロワーみたいなものです。

 そうした人達は新作を読んでくれやすいです。

 新作の評価も気軽にしてくれます。

 大事にしましょう。そして、その数字を有効に使いましょう。


 さらに、この手法は評価のピーク時期をある程度操作できる点で非常に優れています。

 意図しないヒットと違って、この宣伝は自分のタイミングでできるわけですから。


 たとえば、あなたの旧作に3000人のフォロワーがいるとします。

 その中の1/3が新作を読んでくれて、さらに1/3が評価してくれるとします。

 すると、任意のタイミングで★300/日が得られるんですね。

 僕はこの行為を勝手に『ドーピング』と呼んでいます。

 このドーピング、一番ランクバトルで大事なことだと思っています。


 ドーピングをするとどうなるか。

 冒頭で「★500/日があれば日間総合に乗れる」と書きました。

 そう、日間総合ランクに乗れるんですね。


 このタイミングで小説がクライマックス、読者が『気持ちよさ』を得られるシーンだったらどうでしょう。

 日間ランキングから流入した読者は評価してくれます。

 これを上手く回せると、週間総合に安定して乗れるのです。


 既存ファンは起爆剤。もちろん本当に必要なのは『作品の面白さ』です。

 でも、起爆しない花火に意味はありますか?

 

『ドーピングするタイミングを制御し、あなたの小説をヒットさせましょう』

 

 

 > ピクリともしないPVの前に、俺は絶望していた。


 ――といいつつ、彼は失敗しました。

 なぜ失敗したのか。明確な理由があります。次話で解説します。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る