登場人物を設定と表現で深堀しながら、物語を丁寧に展開させていく……その手腕には、圧巻の一言でした。
成田良悟先生が書かれた序章の続き(というコンテスト)ですが、文章から伝わる空気感や匂いがまさしくそのままで、流れるように読み切ってしまいました。
著者名が伏せられていたら、本当の続編だと信じ込んでいたように思います。
なんなら今でも、本当は先生なのではないかと疑っています。
和歌の言葉遊びはもちろんですが、何気ない〝アレ〟が伏線に落とし込まれているのを目にしたときには「そう来たか!」と膝を打ちたくなりました。
まさか、序章から〝アレ〟を引っ張ってくるとは……。
こういう遊び心を忘れずにいたいと、そう思わせてくれる作品でした。
この作品、ものすごく良かったです。
ツキヨムコンテストは、自由度が高いようでいて、実はものすごく制約の多いコンテストなんです。
登場人物や、あらかじめ設定されているセリフは使っても使わなくても良いけれど、登場人物を使わないと(もしくはその存在を匂わせないと)物語の方向性がどんどんおかしな方向に進んでしまいますし
だからといって、それにとらわれすぎると、全く同じ展開で、同じ結末にたどり着いてしまう
それを回避し、オリジナリティーを出すために、書き手の力をものすごく求められるコンクールであると私は思っています。
しかし、これ。面白かった。
レビューさせていただいているものは、全部素敵な作品たちなのですが
この作品、私の中で暫定1位です。
とにかく読んでみて。
そう来たかってなるから。