ホームステイしているロシア美人でシコってるところを本人に見られてしまいました
田中又雄
第1話
俺の名前は神浦樹。
17歳、北海道札幌市の平凡な高校2年生だ。
通っているのは中央高校という、ごく普通の公立校。
校舎は古くて、冬になると暖房が効きすぎて教室が蒸し風呂みたいになる。
クラスメイトはみんな仲良しグループを作ってるけど、俺はその輪には入っておらず、友達がいないいわゆるボッチだ。
休み時間はスマホをいじったり、窓から外の雪景色をぼんやり眺めたりするのが日課。
部活動にも入っておらず、家でゲームしたり、アニメ見たりするのが俺の日常だった。
高校生活は退屈そのもの。
雪が積もる冬は特に面倒で、滑らないように慎重に歩く。
授業は数学や英語が苦手で、いつも後ろの席でうとうと。
放課後、友達に誘われることもなく、一人で帰宅。
家は札幌の郊外、住宅街にある一軒家だ。
父は貿易会社勤めで、母はパート。
家族は4人だったが、先日姉が実家を出て働き始めたので、現在は3人となっていた。
ちなみに今は7月15日ということで、そろそろ夏休みということで、少しワクワクしてた。
もちろん、出かける予定などはない。
学校に行かなくていいだけで幸せなのだ。
そんなある日、夕食の席で両親が突然ある話を切り出した。
「樹、ちょっと話があるんだけど」
父の声はいつもより真剣だ。
雰囲気を察して、箸を止めて、俺は父の顔を見た。
父は眼鏡をかけ、疲れたサラリーマンの典型みたいな人。
貿易会社で働いてるから、海外の話はよくする。
そういう系の話か?単身赴任とか…。
「実はな、ホームステイの話があってだな…。父さんの会社の取引先の娘さんが日本が大好きらしくてな、そのホームステイ先を探してるんだよ。ほら、うちは雪菜が一人暮らし始めて、一部屋空いてるから、ぜひうちに来てもらおうと思うんだけど。ちなみに夏休みから来年まで滞在するらしいんだけど、いいか?」
「え? ホームステイ? うちに?」
正直、めちゃくちゃ嫌だった。
「もちろん、ただとは言わない。この商談が上手くいけば父さんもいよいよ部長になれるからな。賄賂とは言わんがこの期間に関してはお小遣いは5万円にしてやる」と、相当な賄賂を提示して来る。
「…そういうことなら…まぁ…」というと、母さんも話に割って入る。
「その娘さん、日本語がすごい上手なのよ?お母さんも一回あったけど、めちゃくちゃ可愛い子だし。でも、絶対に変なことしちゃダメよ? お父さんの会社の取引先の娘さんなんだから」
父が咳払いして付け加える。
「…その代わり、夏休み期間は特にお前が面倒見ることになると思うから、しっかり頼むぞ。父さんも母さんも仕事で忙しいし、夏休みはどうせお前は暇だろ? そんな遠出はしなくていいから、観光とか連れて行ってやってくれ。旅費も含めてそういうのは向こう持ちだからな」
おいおい、ロシア人の美少女?
そんなの漫画やアニメの世界じゃないんだから…。
けど、内心ドキドキしていた。
しかし、父の忠告が頭に残った。
「変なことするなよ」
わかってるよ、そんな勇気ないし。
◇
数日後、夏休みの初日。
空港で待つ俺たち家族の前に、彼女は現れた。
ダリア・イワノフナ・ペトロワ。
18歳で大学1年生らしい。
白髪のような銀色のロングヘアが、空港の照明に輝いていた。
大人びた雰囲気で、青い瞳がクールに俺たちを捉える。
身長は俺より少し高く、スタイルも抜群。
黒いワンピースが似合ってて、とんでもない美人だった。
「はじめまして、ダリア・イワノフナ・ペトロワです。日本に来られて嬉しいです。これから長い間よろしくお願いします」
【挿絵】
https://kakuyomu.jp/users/tanakamatao01/news/822139845033969044
声は少し低めで、雰囲気はだいぶドライな感じ。
目が輝いてるけど、表情は無。
けど、さっきから周りを見渡してら感じとか見るに日本好きって本当らしい。
それから、母さんと父さんも自己紹介したので、俺もそれに習って自己紹介した。
「神浦…樹。17歳の高校2年です」
「よろしくね、樹くん」と、そう言われた。
その日はそのまま、家の車で観光に行くことになった。
正直、何で俺まで…と思っていた。
そうして、いくつかの観光名所に行くと、高そうなカメラを取り出して、写真を撮りまくるダリアさん。
「おっ、写真好きなんだ!」と父さんがニコニコしながら話しかける。
「はい、写真は好きです。日本に来たらたくさん撮ると決めていました」と、パシャパシャと撮り始める。
当然、無口な俺は彼女と話をすることなどないわけで、ただ横を歩いているだけの人と化していた。
けど、本当に日本語上手いな。
独学でこんなに上手くなるものなのかと感心していた。
そうして、夜ご飯を食べて家に帰ると「樹、ダリアさんの面倒見てあげてね」と言われた。
まぁ、お金のため…お金のため。
家に着いて、ダリアさんの部屋を案内した。俺の隣の部屋だ。
彼女は荷物を解きながら、日本語で質問攻めして来る。
「札幌ってどんなところ? アニメの聖地がいっぱいあるんですよね?」
彼女はどうやらかなりのアニメ好きらしい。
日本を好きになったのもアニメの影響とか…。
「まぁ…札幌っていうより北海道が舞台なら…ゴールデンカムイとか…かな?」
「ゴールデンカムイ…面白いですよね」と、クールな外見とは裏腹に、話すとかなり熱が入る。
それからというもの、翌日以降は俺が彼女の面倒を見ることになった。
夏休みの予定なんてなかった俺は、事前に彼女の希望に合わせて観光プランを立ていた。
初日は定番の札幌市内巡り。
大通公園からスタート。
地下鉄大通駅で降りて、公園へ。
夏の大通公園は緑が鮮やかで、花壇が色とりどり。噴水が涼しげに水を噴き上げてる。
ダリアさんは目を輝かせて写真を撮りまくる。
「…こんなに広い公園が街の真ん中にあるなんて。すごい…」
次はさっぽろテレビ塔。
塔に登って、展望台から札幌の街並みを一望。
ダリアさんは興奮気味であった。
「ここ…来てみたかった…」
昼はすすきのでラーメン。
元祖さっぽろラーメン横丁で味噌ラーメンをご馳走した。
ダリアさんは熱々のスープをすすって、「おいしい…日本のラーメン、最高」と、表情こそクールな彼女が笑顔になるのを見て、俺も少し嬉しくなった。
二日目は少し遠出した。
JRで小樽へ日帰り。小樽運河のレトロな街並みを歩く。
運河沿いの倉庫群が夕陽に染まる頃、ダリアさんは感慨深げ。
「ロシアの古い街みたいだけど、日本独特の風情があるわね。この雰囲気…好き」
三日目はアニメ関連。
彼女の希望で、アニメイト札幌店へ。
店内はグッズだらけで、ダリアさんはフィギュアやマンガを物色していた。
そして、そんな綺麗すぎるダリアさんにみんなの視線が集まっていた。
続いてゲーセン。
狸小路商店街の賑わいの中、クレーンゲームで遊ぶ。
ダリアさんは意外に上手で、ぬいぐるみをゲット。
「樹くん、ありがとう。…すごく楽しいわ」と言ってくれた。
夏休みにこんなに出かけたことなんてなかったが、彼女とのお出かけはなぜかめちゃくちゃ楽しくて、暇さえあれば一緒に出かけるようになっていた。
四日目は自然系。
円山動物園。
動物たちの可愛い姿に、ダリアさんはクールさを忘れてはしゃぐ。
「レッサーパンダ、かわいい…。ロシアにはいない動物がいっぱい」
五日目はサッポロビール園。
赤れんがの建物でビールの歴史を学び、ジンギスカンを食べた。
近くのアリオで買い物をしたり、かなり楽しんでいた。
六日目は羊ヶ丘展望台。
クラーク博士の像が有名。
「Boys, be ambitious!」の言葉に、ダリアさんは感心していた。
七日目は藻岩山。
ロープウェイで山頂へ。
夜景が綺麗で、札幌の街灯りが宝石みたいでたった。
ダリアさんは静かに見つめて、「美しい…。樹くん、連れてきてくれてありがとう」と言ってくれた。
そんな日々が続くうち、俺とダリアさんのの距離は縮まった。
最初はクールで懐かない感じだったけど、観光中は目を輝かせて話し、いつの間にか友達のようになっていた。
今までは女子と話すらできなかったのに、ダリアさんとは自然に話すことができていた。
しかし、その分、彼女への淡い気持ちを抱くようになっていた。
けど、変なことはするな、と自分に言い聞かせた。
彼女の白い髪が風に揺れる姿、青い瞳の輝き…。
夜、部屋で一人になると、抑えきれない気持ちが募る。
そうして、たくさん観光をしていると、あっという間に夏休みが過ぎていった。
充実しているとこんなにも早く感じるんだなと思っていた。
そんな夏休みが終わる数日前のこと。
◇
静かな夜、12時過ぎ。
家は静まり返ってる。
俺の部屋は薄暗く、ベッドに横になり、こっそり盗撮したダリアさんのパンチラ写真をスマホで見ていた。
観光中にスカートが捲れた瞬間を、隠れて撮ったやつだ。
たまたま撮れた写真だったが…もうこれだけで何度抜いたことか…。
そして、BluetoothのイヤホンでエロASMRを聞きながら、妄想に耽る。
彼女のクールな声が、頭の中で甘く響く。
『樹くん…』
夢中になって、手を動かす。
そして、イきそうになった瞬間、背後からイヤホンが引き抜かれた。
びっくりして振り返ると、そこにダリアさんが立ってる。
パジャマ姿で、銀髪が月光に輝く。
スマホの画面をバッチリ見られてる。
彼女のパンチラ写真が、鮮明に。
…終わった。
俺の心臓が止まりそうになった。
ダリアさんは無表情で、スマホを覗き込む。
俺はただ黙ることしかできなかった。
…あーあ…せっかく仲良くなれそうだったのに…。
「私のこと、そんな風に見てたんだ。そっか」
本当、いつも俺はこうだ。
なんで…こういうことをしてしまうのだろう。
友達になれたのに…。
声は冷静。
俺はパニックで言葉が出ない。
すると、彼女はゆっくり近づいて、ベッドに座る。
「じゃあ、実物見ながら続けて?」
「え…?」
拒否しようとする俺に、彼女は微笑む。
クールな目が、少し妖しく光る。
「じゃないと、全部バラしちゃうよ?」
【挿絵】
https://kakuyomu.jp/users/tanakamatao01/news/822139845033982481
脅しだ。
「…そんな…でも…」
「続けて?」
そのまま…俺は震える手で、再び始める。
ダリアさんを見ながら。
彼女はパジャマの裾を少し捲り、脚を組む。
実物は、写真なんか比じゃない。
白い肌が、部屋の灯りに照らされる。
俺は耐えきれず…果てる。
息を荒げてる俺に、ダリアさんは囁く。
「明日もこの時間に来るから。またしてるところを見せてね?」
彼女は部屋を出て行った。
俺はベッドに崩れ落ち、混乱と興奮に包まれる。
最後の最後、この夏休みで何かが変わり始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。