信頼できる人が、実は最悪の敵なのかもしれない。

『フレネミーの微笑』、このタイトルが秀逸です。ラストのどんでん返しで、ぞっとすることを請け合います。

 さて、フレネミーとは友を装う敵という意味。

 物語は友情と恋のドロドロ展開で、その上、作中の準主役(?)の男が、もう、これ以上はないというほどのクズ男。
 そんな男を好きになった主人公ですが、なんと親友が好きなのも同じ男。

 友人同士でライバルになった男が振り向いたのは、主人公です。いや、いっそ、最初から振り向かれなければ、彼女にとって幸せでした。

 リアリティあふれる物語は、作者さまの経験から出てきたものだそうで、実際にこんなクズ男がいることに呆れてしまいます。

 この作品には、「相手より優位に立ちたい」というささやかな虚栄心や、「自分より不幸であってほしい」という歪んだ願望が、日常の会話の隅々に織り込まれており、読み進めていくうちに、ぞっとしてきます。

 単なるサスペンス枠を超え、現代人の心の闇を美しく、かつ残酷に切り取った一作です。

 どうぞ、お読みください。

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