『フレネミーの微笑』、このタイトルが秀逸です。ラストのどんでん返しで、ぞっとすることを請け合います。
さて、フレネミーとは友を装う敵という意味。
物語は友情と恋のドロドロ展開で、その上、作中の準主役(?)の男が、もう、これ以上はないというほどのクズ男。
そんな男を好きになった主人公ですが、なんと親友が好きなのも同じ男。
友人同士でライバルになった男が振り向いたのは、主人公です。いや、いっそ、最初から振り向かれなければ、彼女にとって幸せでした。
リアリティあふれる物語は、作者さまの経験から出てきたものだそうで、実際にこんなクズ男がいることに呆れてしまいます。
この作品には、「相手より優位に立ちたい」というささやかな虚栄心や、「自分より不幸であってほしい」という歪んだ願望が、日常の会話の隅々に織り込まれており、読み進めていくうちに、ぞっとしてきます。
単なるサスペンス枠を超え、現代人の心の闇を美しく、かつ残酷に切り取った一作です。
どうぞ、お読みください。
あまり声を大にして話す話題ではないかもしれませんが、世の中にはクズ男ってのがいるのですよね。
モラハラはするわ、浮気はするわの、どーしようもないやつ!
けどそんな奴に限ってまともそうに見せるのがうまく、コロッと騙されるなんて悲劇もあるのです。
本作の主人公ヒカリが、まさにそう。
優しくて魅力的な人だと思ってお付き合いを始めたものの、実際はどうしようもないクズ。
しかし、ヒカリが妊娠したのがきっかけで、二人は夫婦に。
これで相手が心を入れ替えまともになってくれたらいいのですけど、もちろんそんなわけがありません。
読者としては、そんなやつと別れて新しい幸せを見つけようと思う一方、こうも思うのです。別れるのはいいとして、その前に凄い復讐でもやれないだろうか。
ヒカリもね、ちゃーんとそう思っていたのです。始まりますよ、復讐が。
ただし、うまくいくかはわかりませんし、うまくいったとしても、それでスカッとするかもわからない。
それでも、一度灯った復讐の火は、消えることなく燃え続ける。
全てを成し遂げた後、ヒカリに残るのは、幸福か虚しさか。それとも、全く別の何かになるのでしょうか。
さらに本作。今まで書いてきたクズ男以外にも、気になる人がいるのですよね。
その人との関係がどうなっていくのかも、大きな見所となっています。
なんでも話せる友達って、いいですよね。困ったことや愚痴や恋愛相談を聞いてくれるだけでも、心が軽くなります。
そんな大切な友達と、好きな男性が同じになったら……。
友達と好きな人が被るというのは、珍しい話ではないと思うのですが、この作品に出てくる藤田という男が最低最悪なのですよ!!
ヒロインのヒカリと、その友達の絵美。
なんで藤田みたいなクズ男を好きになったかなー!!と思うのですが、クズだからこそ。最初は優しいわけです。お姫様のように扱い、甘い言葉を囁き、プレゼントを渡す。
ヒカリと絵美は恋愛経験が少なく、地方から東京に出てきたわけです。都会の洗練された男、藤田に魅了されてしまいました。
でもそれが、地獄の始まり……。
藤田のクズっぷりを読むだけでも価値があるのですが、友達の皮を被った絵美の姑息さ。それも読みがいがあります。
自分が不幸なときって、友達といえども、幸せな姿を見るのはつらいものです。でもだからって、人としてやっていいこととやってダメなことはある。
友達だけど、敵。
ラストは、ぞわぞわします。
この先、どうなるんだろう……。
すんごいドロドロです。もうすんごい。毎日毎日、次は何が起こるのかってヒヤヒヤハラハラしていました!
主人公のヒカリちゃんと、その『心友』である絵美ちゃんは同じ大学2年生。
私も大学に通ってましたけど、もうね、マジでこの時期は楽しかった。私なんかは中高生よりも断然大学生の時が楽しかったです。だって勉強も好きなことが学べるし、親元を離れて色々自由だし、バイトしたり、彼氏が出来たり、もうマジで楽しい。1年生はまだ色々慣れなかったけど、2年生は学校にも慣れて気持ちに余裕があって一番楽しかった。ほら、3年生になると、今度は就活とかあれこれ忙しくなるから。4年生はね、逆に心穏やか。単位も足りてるし、内定取れたし、あとは卒論だけだったし(私は)。
私のことは良いです。
いやとにかくもうそういうめっちゃ楽しい時期なんですって、大学2年生って。
ヒカリちゃんと絵美ちゃんはね、同郷で、一緒に東京の女子大に入ってね?もうめっちゃ仲良しですよ。そりゃあ心の友――『心友』ってなりますって。
が、この仲良しJDがね、一人の男によって狂わされるわけですよ。
そのクソ男、藤田大和がね、マジでクソ。最初はすんごい優しいわけ。名門大学に通って、一流企業の内定もあって、将来有望のイケメン。そんな人とお付き合い出来るってなったらもう夢見心地でしょうや。
でもほら、友人とね、同じ人を好きになっちゃったらもう偉いことになるから。いくら友達でもね、じゃあ友人に譲りまーす!とはならないわけですよ。
タイトルにもあります、『フレネミー』ね。
フレンド(友達)とエネミー(敵)を組み合わせた造語です。友達の顔をして、陰では悪口を言ったり、足を引っ張ったりする人のことを言うやつ。私これね、個人的なイメージですけど、女性に多い気がしてます。3人グループで楽しくおしゃべりして、トイレで席を外したら、2人が自分の悪口を言ってた、みたいなの。よく聞くなぁ、って。
でも今回はもうそんな次元じゃないのです。
もう「こわっ!」って、毎話毎話ぞくぞくしてました。
果たしてヒカリちゃんはフレネミーに気付いた時にどうするのか、どんな結末を迎えるのか!
完結してます!一気読みでどうぞ!