遺産
健さん
第1話
俺は現在50歳。5年前に離婚して現在は独身だ。仕事は郵便局員。窓口勤務。今じゃ、年賀はがきも昔と違って売れなくなったものだ。今の時代ネットだから。文字を入力してエンタ押せばあっという間に届く。しかし、ハガキだと出してから数日かかるわけだが。1日の元旦にポストに行って誰から来たかな、なんてワクワクして風情もあったものだが、、。っていう俺もパソコンで、すましている。書いても、せいぜい10枚くらいかな。(笑)だから毎年1か月前になると、ノルマが課せられるので家族に協力してもらう。家族は、両親と、兄夫婦が、自分の家から車で30分ぐらいのところに一緒に住んでいる。なので休みの日に1ヶ月に2,3回の頻度で行く。両親もあまり、年賀状書かないが、200枚買ってもらっている。兄夫婦は0枚だ。その兄とは昔から気が合わずはっきり言って仲が悪い。兄は高校時代暴走族に属し、よく警察沙汰になり両親に迷惑をかけてきたものだ。そして、兄は一時暴力団員になり、”別荘”に2回行っている。今は、”まとも”になってはいるが。現在は、建築関係の仕事をしている。姉さんも、元ヤンキーで気が強く、母が言うには、父とよく喧嘩するらしい。また兄は何年か前には、ギャンブルが好きで借金500万になり、首が回らなくなり、結局父親に尻ぬぐいさせている。父は、兄貴に出て行ってくれと言ったが、出て行かないようだ。父もほとほと嫌がってるようだ。俺が思うに兄貴は父の財産を狙っているのではないかと、思っている。俺は休みの日に両親をドライブに連れて行ったり旅行に行ったりした。父はよく俺に兄の悪口を言ったものだ。父は80歳。母は、78歳。もう高齢だ。何日か前に父の誕生日に、奮発してマッサージ器をプレゼントした。母が言うには父は大変気に入って、毎日何回も使っているとのこと。父は昔自分で不動産会社を立ち上げて財産を築いた。父はよく、「あいつは、俺の財産狙っているな。」と、俺に言ったものだ。あいつとは、当然兄貴のことだ。父もうすうす気づいているのだろう。(明日休みだから、実家行くか。)俺は床についた。1時間ほど寝ただろうか?インターホンが鳴った。(んん?誰だ?こんな遅くに。)時計を見たら、12時だった。通話カメラ見たら、親父だった。(え!!親父?)俺はすぐにドアを開けた。「親父どうしたんだ?こんな遅くに。」「お前に渡したいものがあるんだ。」「中に入ってよ。」「いや、ここでいい。もう行かなければいかないから。」「今夜は泊まっていきなよ。ちょうど、明日っていうか、今日実家に行くつもりでいたんだよ。」父は藪から棒に大きなバックを俺に渡した。「何これ?」「俺の全財産だ。”タンス預金”だ。あいつには1銭もやらん。お前にやるから。いいな、あいつには内緒だぞ!もう俺は行かなきゃならないから。じゃあな。」「親父!!」親父はドアを閉めて行ってしまった。追いかけたが、もういなかった。タクシーでも待たせていたのか?俺はとりあえず部屋に入り、バックの中を開けて見た。3000万はあるかな?時計をみたら、12時20分だった。俺は布団に入り寝た。そして朝。携帯電話が鳴り、出た。母からだ。「もしもし?」「お父さんが、冷たくなって亡くなったの!」「え~!!うそだろう!昨日の夜遅く家にきたんだよ!」「何言ってるの?ずっと家にいたし、10時には、もう寝てたわ。私がトイレに起きて、お父さんみたら、寝言言ってたわ。”あいつに渡してよかった。これで安心だ。”って。時計みたら、12時15分位だったわ」(完)
遺産 健さん @87s321n
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