ページを開けば、それを探している

読み始めた瞬間から、水のようにすっと心へ染み込んでくる感覚がありました。

白滝ねこ様の作品には、そうした不思議な“静けさの浸透”のようなものを感じます。

深く落ち着いた空気が物語の中に流れていて、とても印象的でした。

旅人が夜の森を歩く場面から始まり、万病を癒す神秘の実、そしてひとりの娘の物語へと続いていく流れは、まるで静かに語られる昔話を、火を囲みながら聞いているような感覚でした。

癒しには代償が伴うことを知りながらも、それでも人々を癒し続ける娘の姿が、とてもまっすぐで心に残りました。区別や差別ではなく、ただ手を伸ばし続ける在り方が静かに胸に響きます。

読み終えたあと、自分がいつの間にかその物語の森の中に立っていたことに気づき、不思議な余韻が残りました。

素敵な作品をありがとうございました。

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