優しさが呪いへ変わる、哀しき森の寓話

まるで昔話のような静かな語り口なのに、読み進めるほどに痛ましさと不穏さが深まっていく、とても印象的な一作でした。

奴隷の娘が「聖女」として称えられながら、実際には誰にも止められず搾取され続ける構図があまりに切なく、優しさそのものが呪いになっていく過程に胸が苦しくなります。


終盤、人々が木へと変わっていく展開は幻想的でありながら強い恐怖もあり、森の正体が伝わった瞬間に物語全体の見え方が変わるのも見事でした。

最後に旅人が実を取らない結末も美しく、読後に深い余韻を残します。

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© 一ノ瀬 玲央(Reo Ichinosさんの他のおすすめレビュー32