話 す こ と を 途 切 れ さ せ て は な ら な い


軽妙な独白。
話し手の語り口は、どこか楽しげです。
彼は〝たいした話じゃない〟 
そう言いました。

でも、大した話なんです。彼の話は。
日常の生活が見えない何かに侵食されるんですから。
音や温度、そして気配。やがては……
彼の周囲には、明らかな怪奇現象が発生していました。

でもわからないのです。
語り手はなぜ、ここでそんな話をするのか?
なぜ自分はそんな話を聞いているのか?
なぜ次に“椅子に座る”のは自分なのか?
なにもわからないのです。

まるで不条理劇です。
そうです。
ここに至って怖いのはもはや〝心霊現象の話〟ではないのです。

では怖いのは何か?
それはご自分でお確かめください。

確かめないほうが良いのかもしれませんが。
そこは自己責任でお願いいたします。

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