オノマトペが凄いんよ……

凄い……凄い音が鳴ってる(オノマトペ)楽しい物語です。

物語の冒頭で「勇者アルベルトが70歳で亡くなった」葬式から始まり、
途中で再び現代に戻って「愛されて、モテて、モテて、死んだんだもの」と彼の安らかな死に顔などの流れは良かったです(オノマトペ凄いですが!)

本編全体が「なぜ彼がそこまで愛されるに至ったか」の証明だったと読めば、しっかり書けていると思いますし、読んでいて面白いなと感じました。

天才科学者マリの「無言で、少しだけ頬に触れる髪をかき上げた。冷たいはずのその指が、なぜか少しだけ震えていた」という描写では、鉄壁で理性があるんだけど、動揺してるんだよ!って表現できていたと思います。

また、「氷の中に閉じ込められてる心ってさ……本当は、誰かに見つけてもらいたがってる」という勇者の言葉に、すべてのヒロイン救済に通底するテーマが集約されており、私はこの一文に物語全体のテーマが込められていると感じました。

サキュバス戦での一斉突撃のダイナミックさ、ミッシェルが竜を磨く早朝の静かなシーンなどの緩急は上手に拾っていたと思います(いい意味で平坦ではない構成です)

楽しい物語をありがとうございます。

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