敵同士の二人が徐々に心を開いていく、癒しと再生のとても美しい物語です


 なんとも静謐で美しい物語が、素晴らしい筆致で語られる作品です。

 敵同士だった二人が、心を通わせていく様子が素敵で、その描写が素晴らしいのです。

 物語内にいちぶ戦闘部分もあるのですが、ほとんどは、おだやかな対話と時の積み重ねで構成されており、主人公ふたりの間が徐々に深まっていく。その過程を楽しみ、読んでいく作品でもあります。

 ふたりの立場は全く異なり、国の形や成り立ちも違う。この世界観が、とても重要です。
 機械文明の発達した現代社会のようなルディアナの国と、魔法によって成り立つ、中世のようなヒースの国。

 主人公のルディアナは、かつて自らの技術が兵器に転用された、多くの人を殺したという過去を背負い、雪山で孤独に生きる技術者です。
 一方、敵国の魔法使いヒースは、瀕死の状態で彼女に拾われます。

 派手さよりも、穏やかで美しい心理描写を味わいたい人、静かなヒューマンドラマが好きな人に強くおすすめしたい一作です。

 最終話まで読んだ時の感動を、ぜひ味わってください。

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