ページを開いた瞬間、まるでタイムスリップしたかのような緻密な世界観に圧倒されました!
舞台は架空の清朝後宮。まるで本物の歴史を紐解いているようなリアリティがあって、作者様の深い知識とこだわりがキラリと光る、とっても知的な物語です。
主人公の玲貴妃をめぐる物語は、単なる「知略」や「溺愛」という言葉では片付けられない、とっても不思議な魅力に満ちています。
皇帝との関係も、分かりやすい胸キュンシーンに頼らない「究極の奥ゆかしさ」があって、二人の間に流れる静かな空気感にドキドキしちゃいました。言葉にされない心の動きを、読者がそっと想像して楽しむような、大人の贅沢な「余白」があるんです。
物語の結末も、「えっ、ここで!?」という驚きとともに、まるで美しい絵画をふっと見終えた時のような、不思議な余韻を残してくれます。
「多くを語らないからこそ、もっと知りたくなる」。そんなミステリアスな後宮の世界を、じっくり、しっとりと味わいたい方にぴったりの、とっても上品な一作です!
「皇貴妃」と聞いただけで、目が輝いてしまう。清朝後宮といえば皇貴妃、それが私の持論だ。
多くのドラマや小説では、皇貴妃は漢族女性への便宜上の皇后位の称号として登場する。後宮における満州族と漢族の隔たりを象徴する存在として描かれることがほとんどだ。ところがこの作品では、本来的な意味での皇貴妃――皇后位への待機ポジション――として描かれている。それだけでも十分に珍しく、興味深い。
さらに、白雪花菜氏の語り口が加わる。感情を直接描くのではなく、人物の周囲を少しずつ積み上げていく手法が、中国歴史ドラマの独特の間合いとよく似ていて、読んでいると映像を見ている気分になる。
玲皇貴妃がこのあとどうなっていくのか、目が離せない。中国後宮歴史ドラマ好きには、ぜひ手に取ってほしい一作だ。