ただただ惜しい
- ★ Good!
キャラの掛け合いが面白く、キャラが生きているのがよく感じられます。特に主人公の内面が成長していく過程は、読んでいて非常に楽しいです。ただ、一読者として個人的にどうしても残念に感じてしまう点が2点ありました。
1つ目は、物語の根幹であるはずの「クラウンナイツ」の存在感が薄いことです。
作中の騎士たちの多くがその頂点を目指していますが、読み進めても彼らの過去の偉業や歴史、現職の登場など具体的な描写がほとんど出てきません。主人公の成り上がりの最終到達点であるはずなのに、設定がふわっとしているため、必死に目指す主人公やその他の騎士に対して、読者である自分は結構序盤から置いてけぼり感を抱いてしまいました。ただこれは、純粋にクラウンナイツに憧れているというよりクラウンナイツという立場を利用して自信を付けるのが目的だからこそ余り設定を深掘りしていない可能性もあると思いますので気にしない方も多いかもしれません。
2つ目は、主人公の戦闘能力の曖昧さと描写についてです。
物語が進むにつれて騎士としての階級は上がっていきますが、そこに至るまでの鍛錬や実戦での気づき、修行などの描写が少なく、まるで業務の一部のように省略されている印象を受けます。主人公の賢さやヒロインの協力による異例の昇級だとは理解していますが、内面の成長がしっかり描かれている分、対比として戦闘技術の成長プロセスの少なさが目立ち、「階級だけが上がって実力が伴っていない」ように見えてしまうのが非常に勿体ないと思います。
キャラクターに魅力がある作品だからこそ、世界観の掘り下げと戦闘面での納得感が補強されれば、より一層面白くなるのではないかと感じました。