じわりと背に這いあがってくる恐怖感がたまらない

全7話の短編です。
各話がコンパクトにまとまっているので、とても読みやすいです。
だからといって侮ることなかれ。本作はれっきとしたホラーなのです。

念願叶って古民家に引っ越してきた親娘三人は、スローライフを楽しむべく、DIYに勤しむのですが、その過程であるものを発見してしまいます。
そこにあったものとはいったい?

とあるお婆さんから、古民家にまつわる恐ろしい話を聞かされます。
おぞましい惨劇が目の前で繰り広げられる。そんな直接的な出来事はありませんが、背筋に冷たいものが這い上がってくるような恐怖感が文章の端々に潜んでいます。

じわりじわりと恐怖に蝕まれていく親娘、といってもなぜか一人だけ平然としているのですが。
そして、遂には可愛い娘に魔の手が。

救いがないわけではない。お婆さんから聞かされたとおり、一か八かでそれに賭けた先で待つものとは。
余韻を残す終わり方に、いったいどうなっていくのだろうと考えさせられます。

ホラー好きの方はもちろんですが、個人的に少々苦手な方でも大丈夫だと思いますので、是非とも読んでみてください。

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