半端者の痛みと可笑しさが同居する、滋味深い名作

 世界観の奥行きと登場人物の質感に惹き込まれる。

 黄昏都という神話的な舞台設定が緻密でありながら、クロウという「半端者」の目線を通すことで、神々の世界が却って生々しく、息苦しいほど現実的に感じられる。

 彼が月に一度だけ神の街へ行き、吐きながら稼ぎ、それでも戦利品を手放さない冒頭の描写は、キャラクターの生き様を説明なしで見せる巧みさがある。

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