ノンアルコールは大人の味。お酒のホラー!
- ★★★ Excellent!!!
エッグノッグ、ぜひ検索してみてください! 牛乳×卵にシナモンを入れたクリスマス向けの飲み物。たまごみたいなころんとしたカップに入れるのがきっとお洒落なんだ。
この作者さま、和物、時代物がめちゃ多いんです。その中で、今年からは新展開「バーと幽霊見えるオカルトライター」という、マリアージュが楽しみな物語が始まりました。アルコールと怪談どう結びつくんだろう。
と思いきや……今回のエッグノッグはノンアルコール。
幼年期、幽霊との、エッグノッグで結ばれた友情物語。
けれどノンアルコールになっても、大人の味わいは健在です。
幽霊見えるオカルトライター、大人になって甘い物エッグノッグが苦手になってしまった。お酒飲めなかった時代と逆、いまや懐かしきこそ覚悟のいる飲み物になっている。卵の時代には戻れない、ノンアルコールが飲めないことにパラドクス的に、「酒を飲むようになったってどういうことなんだろう」って考えさせてくれました。
大人と子どもって、どちらがつらいんでしょうね。大人の痛みはしばしば根治しない、お酒で紛らわすのが深みなのかも知れないけれど、たぶん幼少期だって実は忘れてるだけで、大変な思いをして生存してきたと思う。
……友達いなかったり、あるいは友達の死だったり。
幽霊の少年のボーイソプラノは、ボーイソプラノのまま。卵のまま死んだから。
エッグノッグは甘いだけじゃない。どうやらスパイスが効いてるらしい。ライターはまだ生と死の世界を書き留める業に苛まれながらも、エッグノッグを誓いに生きてゆくのだと思う。
羽化のあと、ゴールなき大空が途方もなくても。