龍に魅入られた家。美しい瑠璃色の草の実と。

叔父が、死んだ。

彼の住んでいた古い日本家屋を相続する為
訪れた庭先で、美しく光る瑠璃色の実を
見つける。
      龍ノ髭 と呼ばれる草の実を
叔父は嘗て
      
 決して触ってはいけない と言った。
龍の卵といわれるその草の実は
 瑞々しく美しかった。

瑠璃という名の若い家政婦が、叔父の
訃報に慌てて駆けつける。暫く休みを
貰っていた間の逝去と惜しむのだが…。

美しい風景の中にある 不穏 が
匂い立つ様な艶かしさを伴って顕現する。
その、龍ノ髭 に纏わる一族の秘密と
叔父の遺した日記。

 そして、彼にもその時が来る。

何れ、潰えるのだろう龍に魅入られた
彼らの、砂を噛むような孤独と
 相反する情熱と。



      いずれ、その時には。


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