妖狼妖虎狂想曲~汰偉と虎巻のラプソディー~ 【竜奇譚 外伝】
鈴懸
汰偉雷 詩の章
第1話 虎巻、ワンコを拾う
オレの名前は
東の大陸の北の果ての枯れた大地で生まれた。
食うものも少なく、いつも腹を空かせていた。少ない食べ物を奪い合っていた。
そんな中で競争相手だった
そんな時、追い剥ぎをしようとして
一見、細身の優男でチョロいと手を出したら、とんでもなく強かった。
オレたちはあっという間に叩きのめされた。
そのまま消されると思って本気でビビッていた。
なのに
そしてオレたちを勝手に仕込み始めた。
最初、オレたちは文句を言って逃げ出そうとした。
けれど、逆にこのままでは生き延びれないと脅された。
渋々、
そして元々備わっていた妖魔の力も引き出してくれた。
そして、オレたちは
その後、もともと城の兵士だった
実は
軍隊なんてオレたちの性分には合わないと思っていたが、住めば都とはよく言ったものだ。気が付いたらここでの暮らしにどっぷりと浸っていた。
とにかくメシにありつけた。ひもじい思いをしなくてすんだ。野垂れ死ぬことに怯えなくなった。
正直、助かったと思った。有難かった。
ま、だからと言って大人しくしているオレたちではなかった。
規律は破るためにあるはず! オレたちは何かと問題を起こしているらしく、いつも
そもそも、
東の王の石城はバカでかくて、ちょっとした町が一つすっぽり入るんじゃないかってぐらいデカかった。
なんせ城の中にちょっとした森があるんだぜ?
初めの頃は迷いに迷って疲れることが多かった。迷子の気持ちがちぃと分かった。
だが、野生児のオレは森がお気に入りでよく一人でブラブラしていた。
◇◇◇
「そろそろ、集合時間か。最近、平和だぜ。体が
「……ん?」
こんもりとした藪の中から小さな尻尾が出ていた。その尻尾がパタッ、パタッと左右に動いた。
「……何の動物だ?この森、動物いたっけかな?」
フワフワとした尻尾がまた左右に動いた。
尻尾の持ち主は白銀の毛に覆われた小さな動物だった。
「……ワンコ? この森に犬っていたか?」
子犬は眠っているようで全身ダランと脱力している。
そして
「
「何すんだ―⁉ このクソわんこ‼ オレさまの鼻を噛みやがって――‼」
子犬は
森の奥から歩いてくる
「
「いや、森でこいつを拾ったら鼻を噛まれたんす」
「……
「藪の中から尻尾だけ出していて、そしたらワンコだったんです。でも、ずっと寝てんですよ」
「
「え?
「この子、タイちゃんて言うの。子犬じゃなくてオオカミね……」
「……? オオカミ?」
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