サイバーテロ事件(in宇宙)
サイバーパンクワールドにも、王国、共和国、帝国、傀儡国、連邦国家といった様々な形の国が存在していた。
一方で、首相や大統領のような国のトップから、議会のような立法機関に、憲法に基づく裁判所、ヴァーチャルの防衛軍も、各国家には揃えられていた。
各国によって独裁か合議制かの違いもあるが、それぞれの国は比較的安定した政権として機能し、調停役としての評議会も設けられていた。
オンラインマフィアやヴァーチャル組織にも集会があり、彼らもまた一定の規則に基づいて行動していた。
その中でも一際異彩を放っていたのが、テクノロジー帝国である。
彼らは最も古いアバターを持つ上級者を中心に構成されており、数多の研究者やハッカー、技術者を国民として認めていた。
国民の数は二億人以上。ワールド内では第三位の国土を誇り、仮想から現実に至るまでのあらゆる情報を把握し、それを元手に財産を成すことでも知られている強国である。
彼らは急進的な政策を支持し、古臭い体制を嫌う傾向を持つ。そして、過半数の国民は現実に未来を見いだせない絶望した人間が占めいる。
そんな彼らが現実に及ぼす影響は、現実で生きる者達にとって、想定を容易に覆すものだった。
2283年のある日、テクノロジー帝国は自分達をはじめとする二十二の仮想国家群が、正式な国家として現実世界に参入すべきであると主張し、全宇宙に声明を発表したのである。
例のエリス型AIの騒動もあった中、各文化圏は疲れ果てながらもこれを断固拒否。
すると、それに怒ったテクノロジー帝国は、全宇宙の政治機関や関係施設を一斉にハッキングし始め、各文化圏に多大な麻痺を引き起こした。それは宇宙を巻き込んだサイバーテロに他ならなかった。
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