お前はわたしという不思議なお話

慣れ親しんだ新選組の面々。名前を目にした瞬間、彼らが息を吹き返したかのように動き出し、物語は一気に現実味を帯びていく。歴史好きにとって新選組は、どこか家族のように身近な存在だと改めて感じさせられる。

物語の幕開けは、静かでいて深く胸を打つ悲しい事件。その出来事に宿る想いが物語全体を支配し、やがて大きな事件へと発展していく構成が見事だ。中心に据えられたキーワード「細い刀」が、不穏さと緊張感を際立たせている。

史実の重みと創作の魅力が絶妙に交差する一作。歴史が好きな方はもちろん、そうでない方にもぜひ手に取っていただきたい。読後には、きっと新選組がより身近に感じられるはずだ。

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