隙間を埋める幸せ

深夜明星

隙間を埋める幸せ

お風呂から上がると、彼氏がソファで眠っていた。


ちょっと寝不足気味?疲れていたのかな、なんて思いながら私もヘアドライやスキンケアをして寝る準備をする。


ようやく自分の寝る準備が整ってもう一度彼の様子を確認すると、変わらず熟睡していた。


おやすみ、の挨拶も出来ないのはちょっと寂しく感じる。


改めて彼を見ると、180cmを越える長身に二人掛けのソファは窮屈そうだった。


でも座面には私が座れる程度の隙間はあった。


狭いけど……なんかいいかも。


私はその隙間を見つけて微笑むと、ベッドルームから毛布を持ってきて彼に掛ける。


そして、自分もソファの隙間にそうっと乗って彼の体に自分の体を寄せてぴったりくっつくように潜り込んだ。


ふふ、上手く出来た。


ベッドよりだいぶ狭いソファで落ちないように彼の体に腕を回すと、隙間なくくっ付けた気がした。

そして心が満たされてすぐに眠りについた。


─1時間後。


彼が目を覚ますと、狭いソファで彼女がぴったりくっついて寝ている事に驚く。


狭い……

けど……可愛い……


ベッドに運ぼうかとも考えたが、なんだかこのままの方が心地良い気がして、もう一度目を閉じた。



おしまい

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隙間を埋める幸せ 深夜明星 @midnightpink

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