猫の視点(練習用小説)

@yukimototatsumi

人間が理解できない

吾輩は猫である―――

というのが、猫の書く文章の書き出しの定番と聞く。私も偉大な先輩に倣って書き出すとしよう。


いきなり本題だが、人間は摩訶不思議な生き物である。

まず何か鳴いていても何を伝えたいのかが意味不明だ。

そしてこちらの意図を全くもって理解できていない。

先日など、私が「飯をよこせ」と伝えたのにも関わらず体を触りまくられた。

また違う日に「排尿をしたため掃除をしろ」と伝えたところ、何故だか飯が出てきた。

何故だ。何故伝わらない!

他の生き物には声を出さずとも視線を合わせただけで意思疎通を図れるのに。

人間の鈍くささに日々苛々している。

だから私は人間を観察することにした。

会話が通じない相手との対話を最初から諦めてしまうのは良くないことだ。

いつの日か、交流のできる日もくるかもしれん。

そのように私は期待している。



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