異世界人形譚 〜サイコメトラーとゴーレム使いの日々〜

こだのいはい

プロローグ

 「待ってくれ!!」


───もう、ここで私にやれることはない。


「一体何を言っているんだ?除隊したいだと?」


───戦争ももう終わった。ゴーレムたちも、静かに眠らせてやるべきだ。


「だとしても……なぜ軍自体を去るつもりなんだ?戦闘が無いとしても……今の地位を捨てるなんて考えられない」


───……叶えたい夢がある。かねてからやりたかったことだ。ここでは絶対に叶わない願い。


「……そうか、そこまで言うのなら……きっと何か、大いなる目標のためのものなのだろう」


「気が済んだら、いつでも戻ってくると良い。君の席はいつでも、いつまでも……空けておくとしよう」


「それにしても……この国を守ること以上に重大な長いとは一体……いや、聞かないでおこう」


───……ありがとう。




───私の願いはもう、決まっている。ここを去る理由も。


───もう、ごつい岩ゴーレムは作りたくない。ビスクドールだけを作って生きていきたい───。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る