第3話

「お聞きいただきありがとうございます。」話の筋が飲み込めない記者達で会場は静まりかえっていた。

「この不思議な体験の後、アウトサイダーという言葉の意味を調べました。そうです、部外者という意味ですね。つまり人間は部外者なのです。我々人類はこの世界の為に何もなしていない。何の役にも立っていない。逆に壊す側の存在です。地球の為にとか、エコロジーとか言ってもあくまでも人類の為なのです。人類が滅亡してもこの世界は変わらず存在し続けるでしょう。葉っぱ君から修行の旅の話を聞いた時、私は色々な生き物の後に人間になると決めつけました。人間の方が優れていると勝手に思い込んでいました。幼い少年でさえこんな驕った考え方をしていたのです。

 それからの私はこの世界の一部になれるよう、少しでも関わりが持てるよう、寝る間を惜しんで努力してきました。全ては人類の未来のためであり、自分自身のためでした。いつか人間も神様になれる日が来ることを夢見ていました。

 ここで皆様にサプライズがあります。つい先ほど知らせが届きました。ついに人類が世界に認められました。僭越ながら私が第一号として修行の旅に出発させていただきます。コレを見ている全ての人々。特にこれからの未来を作る少年少女。あなた方も世界の一部なのです。全ては視点を変える事から始まります。新しい世界を一緒に築きましょう。」

 と言うと、彼の姿はどんどん薄くなっていき消えていった。床には彼が身につけていた物が残されていた。

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日田口刀力 @oikack

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