普通列車だけを乗り継ぎ、全8種類の駅スタンプカードを1日間で収集（コンプリート）する旅

第1区間：駅スタンプカードってナンジャラホイ

　皆さんは『駅スタンプ』というものをご存知でしょうか？

　それは観光振興などを目的として様々な駅に設置されているもので、JR（および一部の三セクや私鉄を含む）などが国鉄（こくてつ）（日本国有鉄道）と呼ばれていた時代から存在しています。

　現在もその名残や新規に制作されるなどして、全国各地で見ることが出来ます。特に観光地となっている駅では、駅舎内やホームの片隅にスタンプ台が置かれているのを皆さんも目にしたことがあるのではないかと思います。

　そして駅スタンプカードというのはその名の通り、駅スタンプをトレーディングカードにしたようなものです。表面には駅スタンプのデザイン、裏面にはその駅に関するデータが記されています。

　2025年の秋、茨城県内にあるJRや三セク、私鉄の駅などの計8か所で、それぞれ先着1000枚限定（1か所につき1人1枚）でその駅スタンプカードが無料配布されることになりました。

　ただし、これには条件があって、受け取るには配布場所でその日に有効なJR東日本の特別企画乗車券（特企券、トクトクきっぷとも呼ばれます）である『ときわ路パス』を提示しなければなりません。

　ときわ路パスは茨城県内を中心とするJR（常磐（じょうばん）線：取手（とりで）～大津港（おおつこう）、水戸（みと）線：友部（ともべ）～小田林（おたばやは）、水郡（すいぐん）線：水戸（みと）～上菅谷（かみすがや）～下野宮（しものみや）／常陸太田（ひたちおおた）、鹿島（かしま）線：鹿島（かしま）サッカースタジアム～潮来（いたこ））や関東鉄道（常総（じょうそう）線：取手（とりで）～下館（しもだて）、竜ケ崎（りゅうがさき）線：佐貫（さぬき）～竜ケ崎（りゅうがさき））、鹿島（かしま）臨海鉄道（水戸（みと）～鹿島（かしま）サッカースタジアム）、ひたちなか海浜鉄道（勝田（かつた）～阿字ヶ浦（あじがうら））、真岡（もおか）鐵道（下館（しもだて）～茂木（もてぎ））の普通・快速列車の普通車自由席に乗車できます。

　また、料金を追加で支払えば、特急列車や指定席、グリーン席、〔SLもおか〕も利用可能です。有効期間は販売期間中の土休日および茨城県民の日の1日間で、運賃は大人2330円です。

　販売場所は券面の有効範囲内にあるJR駅の指定席券売機やみどりの窓口など（JR以外の駅では販売されていません）ですが、近年はスマホでの購入と画面の提示で利用が出来るようになりました。

　なお、各情報については私が旅をした時点でのものですのでご注意ください。

　駅スタンプカードの配布場所と配布時間は次のようになっています。

・取手（とりで）（西口改札：7時00分～21時00分）

・牛久（うしく）（改札口 NewDays：営業時間内

　【NewDaysは6時00分～21時50分〈土休日は21時30分〉】）

・大甕（おおみか）（改札口 NewDays：営業時間内

　【NewDaysは6時00分〈土休日は6時10分〉～22時00分〈土曜日は20時30分、休日は20時00分〉／

　改札口は4時30分～6時40分、9時30分～10時30分、12時30分～13時30分、19時00分～19時30分を除く】）

・笠間（かさま）（駅前観光案内所：8時30分～17時30分）

・大洗（おおあらい）（改札前売店〈改札の外側〉：8時00分～18時00分）

・那珂湊（なかみなと）（改札窓口：営業時間内）

・下館（しもだて）（関東鉄道5・6番線改札口：9時00分～20時00分）

・真岡（もおか）（改札口：9時00分～17時00分）

　今回、私は1日間で駅スタンプカード全8種類のコンプリートを目指すことにしました。なお、旅を1日間としたのは、数日にまたがるとそれぞれの日でときわ路パスを購入かつ自宅のある都内から茨城県内まで往復しなければならないからです。

　そこで早速、私はネットの時刻表検索機能を使って旅の計画を立てることにしたのですが、この時点でとんでもない事実が判明するのです。

「う……。どう乗り継いでも1日間で全8か所を巡ることが出来ない……」

　都心部と比べれば列車の運行本数が少なく、しかも駅スタンプカードの受け渡しには多少の時間がかかります。

　私以外にも駅スタンプカードの収集をしている人や運賃の精算、各種の問い合わせ、商品の購入などをしている人がいないとも限りません。

　だから各所でそれなりに時間の余裕を見ておかなければならないわけです。

　さらに大きな障害となったこともあって……。

（つづく……）