路上占い、あれこれ108【占い師は吐き出す】

崔 梨遙(再)

まだ単発で。食後のコーヒー 1232文字です。

 吐き出します。



 夜のミナミで路上占いをしていた時のこと。



『お願いしていいですか?』

『はい、どうぞ、お座りください』

『失礼します』


 僕の好きなタイプじゃない美人でした。美人でしたが・・・暗い! めちゃくちゃ陰気な女性でした。まあ、僕の好みのタイプじゃないのでどうでもいいですが。年齢は30歳前後かと思いましたが、女性の年齢はわかりません。


『今日は、何を?』

『あの・・・誰にも言えないことがありまして・・・』

『はあ』

『聞いていただけますか?』

『はい、うかがいます』

『私、子供が2人いるんですけど・・・』

『はい、それで?』

『義理の父の子なのか? 夫の子なのか? わからないんです』

『・・・・・・』


 『夫の子か? 愛人の子か? わからない』というのはたまにあります。ですが、さすがに義父の子か? 夫の子か? わからないというのは珍しい。


『どうしましょう? 誰の子かわかりますか?』

『それでは、占いではない話をしましょう。義父の血液型は?』

『Bです』

『旦那様は?』

『Aです』

『あなたは?』

『Oです』

『1人目のお子様は?』

『Oです』

『あ、これはわかりませんね。義父がBOとか、旦那様がAOでしたら、O型が生まれてもおかしくないですね。グレーゾーンです』

『そうなんですか。じゃあ、夫の子かもしれないということですね?』

『はい。可能性は半々でしょう』

『良かった・・・まだ望みがある・・・』

『2人目のお子様は?』

『Bです』

『あ、それは完全に義父の子ですね。旦那様がAAであってもAOであっても、Bが生まれて来ることは無いです』

『ああ、どうしましょう・・・』

『そもそも、なんでまたそんなことに?』

『夫が出張中に襲われたんです。1回だけの過ちということにしたかったのですが、義父が「言うことを聞かないと自分達の関係を夫にバラす』というので・・・逃げ道も無かったんです』

『いやいや、なんで避妊しなかったんですか?』

『義父がゴムをつけるのが嫌だと言って・・・その時、夫は子作りがしたいということでしたので・・・板挟みで困ったのですが・・・』

『それで、今の状況になっているのですね』

『そうなんです、どうしましょう?』

『占いましょうか? まず、あなたから・・・・・・山また山、試練・苦難の続く時。動けない。旦那様を見ましょう・・・・・・全てが剥がれ落ちる。義父を見てみましょう・・・・・・雷と炎の勢い・・・家族会議をしてみるといいのではないでしょうか?』

『そんな、それじゃあ、夫にバレてしまいます』

『旦那様にいつバレるか? と思いながら今のようにビクビク過ごすか? 旦那様の理解を得て心機一転やり直すか? いっそのこと義父と結婚して子供の面倒も見てもらうか・・・現実的に考えてその3パターンですね。あ、子供も捨てて旦那と義父と縁を切って新たな人生を送るということも可能ですね、じゃあ、4択です』

『・・・・・・』



 その女性は泣き始めました。寄り添ってあげたいのですが、とりあえず今はその女性が泣き止むまで待つしかないようでした。




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路上占い、あれこれ108【占い師は吐き出す】 崔 梨遙(再) @sairiyousai

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