末法の世、貴族たちに妙なる薫りと惨劇を振り撒く香――その名を『人伽羅』

仏の救いが現世に及ばなくなるという末法の世。
荒廃にさらされる都にこもり、香になぐさめを求める貴族たちの間で、おぞましい惨劇が次々と巻き起こる。
捜査にあたった検非違使、源清忠は、ほどなく『人伽羅』なる謎の香の名に行きあたり。
その秘密は、果てしなく忌まわしいものだった――。

崩壊の時代、人の狂気がさらなる悪夢の煙をたてる、平安末期恐怖譚。